『人は誰も傷つけずには生きていくことは出来ないものだ』


誰かえらい人が雑誌にそんなことを書いていた。


まるでその通り。


きっと私だって君だって誰かを傷つけたことがあるんじゃないかな。


気づいてないだけで誰かを傷つけたことだってあるんじゃないかな。


神様は不公平。そもそも神様なんているわけない。


私にそう思わせたのは・・


今まで平凡に単純に簡単に生きていた私と・・・


苦しい大きな傷かかえながら辛い日々を過ごしてきた君との差なんだよ。



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「おっはよ~~~♪♪」


いつも通りの友達への挨拶。


でも今日はいつにも増してノリノリ。


「何-?テンション高いなぁー」


私の親友。七瀬 杏(ななせあんず)。同クラで一番の仲良し。


杏は勉強もできて運動もできて顔もスタイルも完璧。しかも性格はすっごい優しいから男女問わず人気。


そして私は木下 梨夏子(きのしたりかこ)。


ごく平凡な高校生。コンプレックスは残念な顔とこれまた残念なスタイル。


でも大雑把な性格なので実はそんなに気にしない。


「で、なんでそんなにテンション高いわけ?」


杏があきれたように聞く。梨夏子はニッコニコスマイルで答えた。


「知っらないの~?今日はうちのクラスに転校生がくるんだって!」


「え?知らないよ!ってなんであんたそんなの知ってんの?昨日は誰も言ってなかったけど」


杏はビックリした顔で言った。梨夏子はかなり情報の仕入れが上手い。


「へっへ~ん!さっき2・3人の男子が騒いでるの聞いたんだぁー。しかも超美人!芸能人っぽいらしい!」


梨夏子がえらそうな口調で言うと、杏が目を細めて言った。


「美人?芸能人?」


梨夏子にガンを飛ばしてる杏はかなり怖い顔をしていた。梨夏子、ちょっとだけビビリ顔。


杏は大人気なのだが、自分より可愛かったり人気だったりする子を見つけると


優しいふりして近づいていって化粧品やらシャンプーやらを聞き出すのだ。


たちが悪くて実は怖い杏だけど梨夏子はそんな杏の良いところを山ほど知ってる分


杏のことが大好きなのだ。


「聞いた話じゃ美人らしいよ・・・」


と梨夏子がいった瞬間・・ガラッ 教室のドアが開く。


そこには担任と・・芸能人なみの美人の女の子!大人っぽくて髪なんてサラサラツヤツヤ。


制服のスカートは短めだけどスカートから長く伸びた細い足がなんともいえない美しさ。


教室の空気が止まったように感じた。のどの何かが引っかかって出てこないかのように


言葉が出てこない。男子なんてみんな釘付け。


キラキラ光るキレイで大きい目がまばたきをして長いまつげが動く。


今はそんなことさえ夢のようにステキにみえた。


「みんなー聞いてくれ。今日は転校生を紹介するぞー。」


担任のケン先生こと相田健(あいだけん)が、黙り込んだみんなをどうにかするかのように


言葉を発した。クラスの皆はハッと我に戻った。


「伊月真緒です。今日から宜しくお願いします。」


長い髪を耳にかけながら、教室にキレイな声が響く。


「じゃぁー空いてる席は・・あそこか!三島の隣な。三島、いろいろ教えてやってくれ」


三島の隣!!!梨夏子はハッとした。私のうしろじゃん!キャー!!男子並みの興奮状態。


三島というのは、サッカー部で成績優秀。もちろんスポーツ万能なモテモテくんな三島智也(みしまともや)。


ひそかに梨夏子も狙ってたり・・。


一人で興奮してる梨夏子を通り越した真緒は三島の隣・梨夏子の後ろの席につく。


「よろしく」


三島に向けた真緒のキラキラふわふわな可愛いスマイルに思わず、


「よろしく・・」


そんなキャラでもないのに小声で緊張の挨拶。


「分かんないことあったら何でも聞いていいから」


三島の精一杯の言葉。顔が自然と赤くなる。


っとそんな二人を見てた梨夏子は「!」いけないことに気がついてしまった。


このままでは真緒に三島を取られてしまう!


・・でも遅かった。もうすでに見たまんま。三島は真緒に一目惚れ。



(つづきます)



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