6
7

研究を続けていた、米海軍の最新兵器、レールガン(電磁加速砲)は
マッハ7を上回る速度で弾丸を発射し、射程距離も160kmを超えるという。

昨年はピアヘッド級高速輸送船(JHSV-3)に搭載して、海上実験が
行われていたのだが
ワシントンDCの海の未来科学技術エキスポにてついに
一般公開された。

このレールガンは、電位差のある二本の伝導体製のレールの間に
電流を通す伝導体を弾体としてはさみ、この弾体上の電流と
レールの電流に発生する磁場の相互作用によって、弾体
加速して発射する仕組みとなっている。

おもに電池などの部品で動力を引き出し、電磁気エネルギーを
使って発射する為、弾の速度が従来方式に比べはるかに速く
射程も長くなる。

また、火薬などの爆発推進体につきものの安全面の不安が
解消された。


米海軍は今後さらに、射程目標を360キロメートルにまで伸ばす
為の開発を進めるそうで、将来的には宇宙の輸送装置などに
役立てていきたいそうだ。

2

電磁砲の次の課題は
本体がオーバーヒートすることなく、一分間に何度も確実に発射できる
ことだという。

発射には、巨大なエネルギーが必要なため、部品や本体が早く劣化
するという難点がある。

このため、上院軍事委員会では、電磁砲の技術開発や配備は現実的
ではないとして、
2011年に計画自体を消滅させる動きがあった。

支持者が計画の存続に動き
去年、海軍がBAEシステムで作られた武器を最優先で採用した。
これは火薬やその他の爆発推進体ではなく、電磁気エネルギーを
使って発射するもので、おもに電池のようなコンポーネントから動力
を引き出すため、火薬などこれまでの爆発推進体につきものの
安全面の不安が解消された。

レールガン (Railgun)
物体を
電磁誘導ローレンツ力)により加速して撃ち出す装置である。
なお、電磁気を使う投射様式全般の呼称としては
電磁投射砲(でんじとうしゃほう)やEML (ElectroMagnetic Launcher)
電磁加速砲などがある。

原理的には古くから知られていることもあり
サイエンス・フィクション関連やゲームなどの作品に幅広く登場して
いるが、それらの作品では主に
兵器として扱われていることが多い
(→
レールガンの登場するサイエンスフィクション一覧)。

なお、レールという言葉が含まれているが
いわゆる鉄道や
列車砲とは無関係である


レールガンの模式図。

レールガンの速度表皮効果
投射体が高速移動すると磁界変化が間に合わず
電流路が狭い範囲に押し込められる。

1.ローレンツ力を受けて投射体が加速される
2.速度表皮効果によって電流の流れる範囲が狭くなり
やがてジュール熱によって「溶解」「プラズマ化」する
3.発生したプラズマが新たな電流の流れを作って投射体
への加速が行なわれなくなる





1

1日1クリックで応援してね
1日1クリックで応援してね