サンクコスト

 

人は過去に投資した「金銭や時間がもったいない」と感じてしまい、損切ができなくなってしまう傾向があります。

例えば

 

Aスキーの旅行の予約をしました。あなたは馬鹿にならない金額をすでに払いこんでいます。しかし当日は寒くて風も強く雪が降っていた。家を一歩も出たくないのにお金はもう払ってしまっています。さてどうしますか?

1スキーに行く

2温かい家で過ごす

 

B Aと状況はほぼ同じです。しかし、スキーの旅行の予約はプレゼントだったとします。さてどうしますか?

1スキーに行く

2温かい家で過ごす

 

Bのケースだと多くの人が家で温かくしている方を選ぶ人が多いのですが、Aの場合多くの人が外出するためにかかる費用までしぶしぶ払って寒さの中を出かけて1日を無駄にしてしまうことがあります。

 

いうまでもなく皆が同じ行動をとるわけではないのです。しかし、この例のような行動にでるとしたらそれは「使ってしまったお金」というトリックなのです。

 

使ったお金に目をつぶることはできずに捨ててしまったと思いたくないのです。そこで多くの人は既に投資した「お金」に気を取られてしまい、肝心な「将来の利益」を考えられなくなってしまうのです。

 

これは企業でもよくやってしまう過ちかと思います。

例えば、あなたがある有名なスポーツメーカー用品の経営者です。革新的な靴の開発に10億投資しています。そのプロジェクトは80%達成された段階で同じ規模の他社が同じ特徴を備えた靴をすでに販売していることが分かりました。その靴は自分の会社のプロジェクトを進めている靴より機能的で安いのです。あなたはプロジェクト達成に残りの20%投資しますか?

 

実際に85%の人が「イエス」と答えています。

しかし、質問の仕方を変えてみましょう。「ライバル会社の製品に明らかに劣る製品を作るために2億円使いますか?」

 

なぜこんなことが起こってしまうのかというと、

失敗を認めることにも抵抗があり、いずれか状況が好転するという希望的観測で判断しまいがちなのです。合理的に判断をするのであれば、開発途中でも計画を放棄することが最も損失が少ないならその選択をすべきなのです。

 

この効果はコンコルド効果ともいわれています。コンコルドはイギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機です。完成しても長い滑走路、想定される高額な運賃、騒音などの理由で採算が取れないことが開発中に判明していましたが、すでに巨額の投資が行われていたために中止ができず、投資を続けて損失が膨らんでしまいました。

 

しかし、損切をするとでてくるデメリット面もあります。なにかというと社員のモチベーションが下がってしまうということです。一生懸命作ったものが完成まで行かない。

 

大手のソフトウェアの会社で実際起きた事象があります。新製品の開発を最もクリエイティブな人々を集めたチームが作っていた。しかしCEOが新製品の開発プロジェクトを中止にしたのです。結果、グループは崩壊し、社内でクリエイティブな人たちの何人かはやめていくことになった。

 

損切することの決断も大切なのと同時に社員のモチベーション維持も大切です。どうするべきだったのでしょうか?個人的考察ですが、社員たちの業績を社内でも発表する場があるだけでも変わったのではないかと思います。または、他の部署で使えそうなものはないか?と聞いてあげるなど活かせる場所を見出すのです。自分がやってきたことが無駄だったと思うとモチベーションが下がるのであれば無駄ではなかった他の意味を与えてあげることが損切と同時に必要なことではないかと考えます。

 

もちろん損切事体をできる人が少ないのでその後の話にはなりますが。