聞き慣れていない方も多いかもしれませんが、10月14日は鉄道の日でした。

1872年10月14日に日本初の鉄道が新橋~横浜間に開通したことに由来します。

そして今年、鉄道開通からちょうど150年を迎えました。

つい先日の2022年9月23日には西九州新幹線も開業し、今なおその技術は進化を続けています。

 

日常の足として欠かせない存在となった鉄道ですが、自動車の普及、コロナ禍、リモートワークの普及など様々な理由で需要が減少し、大きな転換点を迎えています。

 

中でも地方ローカル線の維持は喫緊の課題であり、多くのメディアなどでも取り上げられるほど深刻です。

 

そんな地方ローカル線には風光明媚な車窓を持つ区間も多く、観光者としてはなんとか残ってくれることを祈るばかりですが…

 

肥薩線嘉例川駅。

 

ローカル線に残る美しい駅を紹介していきます。

 

緑の中に佇む駅と停車する列車。美しいですね。

 

JR肥薩線は熊本県八代駅から熊本県内陸部の人吉駅を経由して鹿児島県隼人駅までを結ぶ路線で、1909年に鹿児島本線として全通しました。

1927年に水俣駅や出水駅を経由する海側の路線に鹿児島本線の名前を譲り、以降は肥薩線となっています。

 

八代~人吉間は球磨川の渓流沿いを走り、人吉~吉松間は鉄道屈指の山岳地帯をループ線やスイッチバックで越えて、吉松~隼人間はのどかな里山を行くという、たいへん変化に富んだ車窓を持つ魅力的な路線です。

特に人吉~吉松間の車窓から望む霧島連峰は日本三大車窓の一つにも選出されるほど美しいものでした。

 

しかし、2020年7月の豪雨によって橋梁流失などの深刻な被害を受けてしまいました。

肥薩線全体の2/3にあたる八代~吉松間で不通となり、復旧の目途は立っていません。

現在でも沿線道路ですら回復していない状態なので、正直鉄道の復旧は絶望的でしょう…

 

そのような厳しい状況に立たされている肥薩線ですが、吉松~隼人間では運行を再開しています。

嘉例川駅はその中の1駅です。

 

嘉例川駅最大の魅力はこの駅舎!

1903年の開業当初のままの姿を保っており、国の登録有形文化財にも指定されています。

 

駅舎の中の待合室スペース。

ベンチも木造で雰囲気を残してくれているのが嬉しいですね。

 

改札口もいい感じです。

 

ホーム側から見るとこんな感じです。

 

木造駅舎と重厚な気動車の組み合わせが素晴らしいですね。

 

列車は1日11~12往復。

そこまで少なくも無いので、比較的訪問しやすいのではないかと思います。

 

駅前に出ました。

なかなかのローカルっぷりですが、実は鹿児島空港最寄り駅という意外な一面を持ちます。

ここから空港まで4kmくらいでしょうか。長い上り坂です。

なんとバスも運行しています。本数は少ないので要注意です。

 

駅の看板。

重厚な造りで良いですね。

 

おや?

駅の守り神様かな?

 

草や木々に覆われた駅と木造駅舎が映えます。

 

列車は山奥へと走り去っていきました…

 

鉄道開業から150年。

嘉例川駅開業から119年。

長い歴史を歩んできたものを残していけるような、そんな世の中になるといいですね。

 

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鹿児島県 霧島市 嘉例川駅

JR肥薩線嘉例川駅下車すぐ。