最初は、メールでやり取りを始めた。

Aさんの仕事の話、まだ本採用ではないこと、
今は仕事をしながら試験勉強をしていることなど。

それからしばらくして、電話で会話。
私は電話が苦手だが、Aさんの声は穏やかでわりと落ち着いていて話しやすかった。

私の住んでいる市に行く用事があるから、駅で待ち合わせて会わないか?という話になった。

好奇心が勝って、会うことになった。
駅チカのコンビニで待ち合わせをした。

私の方が先について、コンビニで立ち読み。
内心ドッキドキで雑誌の内容なんて入って来ないし、人が動くたびに挙動不審になって外を見た。

入口で佇む人がいた。

めっちゃ猫背で、ボォーと立ってる。
デカイスポーツバックを肩にかけ、
お洒落とは言い難い。むしろダサい。
変な髪型。

まさか、あの人ではないよね滝汗
まさか、まさか…ね。


「入口に着きました」メールが来た。


入口には、その男性しかいなかったチーン


ガーン滝汗!!
全然、好みじゃない笑い泣き
むしろ、避けるタイプー。


第一印象は最悪だった。用事を思い出したとか言って帰ろうかなと一瞬よぎった。
だけど、そんなことはできない。
私は声をかけて、初対面を果たした。
駅チカの沖縄料理店に入り、一緒に食事をした。
Aさんは緊張のあまり、かなり無口で私以上に挙動不審。
あまりお喋りが得意じゃない私が必死になって会話を繋ぎ、話を盛り上げようと頑張った。
この人、大丈夫か滝汗

早く帰りたい。
もう、会うのはこれ1回きりだな〜なんて思っていた。

やっと食事が終了し解放され、ホッとした。
疲れた。
帰りの電車に乗っている時に「楽しかった、また会いたい」とメールが来た。

マジかよ!!ずっと引きつった顔でキョドッてたじゃん滝汗
私はドン引きしていた。
そして自分にもガッカリした。

こんな変な人(←失礼)しか、引き寄せられないんだ、今の私の周波数は…と思った。(←本当に失礼)


その後、こちらからは一切、連絡はしなかったが、Aさんからはお誘いのメールが来ていた。

どうやって断ろう?とずっと頭を悩ませていた。
面白半分で潜入したとは言えないし、
別に彼氏が欲しかったわけでもない。
単なる好奇心で会ってみたものの、相手は真剣みたいだし、傷つけたくない。
私が必死にテンション上げて会話を盛り上げようとしていた所が、Aさんには明るい話上手な子に映ったらしく、好印象だったらしい滝汗


「私は今、やりたいことがあり、誰かとお付き合いをしている場合ではないことに気付きました。
せっかく私なんかに好意を持ってもらっているのに、ごめんなさい」とメールを送った。

精一杯、言葉を選んでお断りのメールを打った。
これで、何とかなるはず。


しかし、
Aさんは、引き下がらなかったポーン


「付き合うとか考えず、全然友達でいいし、○○町に行ってみたいと言ってたでしょ?アッシー君と思ってもらっていいし、友達として○○町にドライブに行きませんか?」と返信が。



友達ならいいか。
(えー⁉︎ 良いのか、私)


そして、休日にドライブに行くことになった。(オイオイ、大丈夫か、あんた)
車で迎えに来たAさんは、初対面の時とだいぶ印象が変わり、リラックスしていた。

車もアウトドア系で、意外にも体を動かすことが好きらしかった。
あんなに無口で挙動不審だったのに、笑顔で彼なりに頑張って自分の話をしたり、私に質問したり、意外に会話も弾んだ。

○○町に行く途中、道沿いにキレイな小川を発見し入ってみたり、たまたま行った誰もいない公園に無人のボートがあって一緒に乗ったり、意外に楽しい!!デートっぽい!

初対面の印象は、挙動不審な変な人だったのに、
2回目でかなり印象が違って楽しくて、
見る目が変わった。(早っ)

それから、何度か友達デートを重ねたが、
デートの度に、たまたま迷い込んで素敵スポットを見つけて、絶景で誰もいないところで花火を見られたり、たまたま行った神社のお祭りで、神秘的な巫女さんの踊りが突然目の前で始まったり、印象的なことが多々あり、一緒にいると楽しくなっていった。
ちなみに、花火スポットはその後探しても見つからなかった。


今考えると、あの第一印象最悪から、かなりトントン拍子に交際まで進んだから、後ろの人達がくっ付けようとあの手この手で演出したのではないかと思う。


そして、私はAさん(旦那)と付き合うことになった。



つづく。