「実験公演」「企画公演」という言葉を耳にする機会はシバシバある。
普段、本公演ではやれないような芝居を「実験公演」「企画公演」と銘打ってやるのはいい事だろう。
予告もなしに本公演で突然に期待していたスタイルを裏切られるよりは、ずっといい。
ただし、意図のわからない実験は…観てる側を置いて行きかねない、という事は決して忘れてはいけない。
演劇集団3days 『life』 @かもめ座
「この公演は実験公演で、セリフがありません!」こういった前説からスタートしたステージだった。
「台本のない演劇」を否定する気は全くない。
Live感のある「即興」のステージも面白いと思うし、なぜ台本を書かなかったか、を考える作業も面白い。
構成は短編6本によるオムニバス形式。
内容も長さもバラバラであり、そういった意味では「実験的」ではあった。
だが、何を実験したいのかが単純に不明確。
「普段は役者やってるメンバーが自分でコントを考えてみました!」これならこれでいい、何を見せたいのかがハッキリしている。つまらなかったとしても、いちおうの納得はいく。「実験は失敗だったかな」と。
ちなみに、基本的にはコント形式で進行。最後の「ボクサー」以外は、特に面白さは感じられなかった。
しかし3つ目の作品が「?」であった。コントでも何でもない、山小屋でのショート密室劇。
これはナゼ台本がないのか、と思った。台本を書き、キチンと稽古をした方が遥かに良くなるタイプの作品なのに、だ。あきらかに1本浮いてしまっていた。この1本が、企画そのものが不透明な印象にした大きな要因の一つだったようにも感じる。
無駄な実験はないのかもしれない。
しかし、実験には「成功」と「失敗」がある筈だ。
この実験公演の場合の成功はなんだろうか?そこを作り手が把握できていなければ、「実験」というよりも「お遊び」で終わってしまうと思う。
「何がやりたいのかよくわからなかった」つまらないと感じた芝居に出される一つの感想だ。実験なのだからこそ「何がやりたいのか」はこれでもかというくらいに見せて欲しかった。
最後に。
前説を出演者全員で行っていたのだが、空気がよかった。そういうタイプの前説があまり得意でない僕としても、嫌な気がせずに見れた。役者陣の「人のよさ」だろうか。この雰囲気は、持とうとして持てる部分ではない。その魅力を生かして、今後もがんばってもらいたい。
最後の最後に。
…ただ、今年また6月と11月に実験公演で、本公演の予定なし、というスケジュールはさすがにやはりどうだろうか。実験公演3本連続やるにしてはちょっと間があきすぎではないか、とも正直思う。
余計な詮索ではあるが、もしや単純にネタ切れなのではないかと勘ぐってしまった。
★鈴木雄太の観劇レビューは「将来シッカリした批評を書けるようになる為の勉強にしたい!」というもあり、厳しい事も遠慮せず書くようにしております!感じ悪く思うところもあるかとは思いますが、その辺は多めに見て頂けると助かります!