………
ピアノを奏で終わると真っ白なグランドピアノはゴトゴト音を鳴らしながらイムに語る。

「イムは…辛くないの?」
「………何が?」
「…この仕事よ…星が死ぬのを見たり観たり、異質なものは排除しなくちゃいけないんでしょ?辛くないのかなって」

辛くない。

言うのはイムにとっては簡単だ。しかし、本当に辛くない…なんて、純粋で素直なイムにはそんな事は言えない。いや、言えるはずがない。
不意にグランドピアノがキィキィ音を立てながらイムに囁く。

「もし、ヤバくなったり、折れそうになったら私を呼んで?ね?」

…ポカンとしたが、イムに頼れるのはグランドピアノぐらいしかない。それだけでも有難いのだ。イムは静かに頷いてグランドピアノを優しく撫でた。

「あ、忘れてた。イムちゃん、ご飯の時間だよ」

まるでついで感覚でイムにご飯を知らせる。緊張が解けたのか、イムから可愛らしい腹の虫が聞こえて来た。グランドピアノはクスクスと笑い、イムは顔を赤く染めて俯き、両手で顔を隠した。やはり不老不死でも女の子。恥じらいは持っている。

「ふふふ、今日はクリームシチューだよ?」と、グランドピアノ。
「本当!?」と、イムは、ぱあっと顔を明るくした。

上機嫌でイムは向かおうとしたが、玉座風味の椅子の後ろから、細身の剣を取り出し、グランドピアノのもとへ向かった。その予想は、当たった。

星の寿命を削るものが…また…ひとつ