私があなたに「おやすみ」と告げた。

 

何も考えず、口ずさんだことば。

恥ずかしく、戸惑う私に

1秒おいて、

あなたは言った。

 

「おやすみなさい」

 

そして、慌てて私は言い直した。

「おやすみなさい」

 

その後、

私の心に流れた穏やかさは、

今も、

あたたかく残ってる。

 

それから2週間の時が流れて

わたしが言った。

 

あなたからかえってくる言葉を期待して、

私が言った。

「おやすみなさい」

 

1秒おいて、

あなたは言った。

「失礼します」

 

包み込もう。

 

私の、心の奥底で流れている、

その想いをそっと、

包み込もう。

 

優しく、

我が子を包み込む、

おくるみのように。

その想いを零れ落ちないように、

優しく、

包み込もう。

 

そう、

それでいいんだよね。

 

「受け止める」のではなく、

私は、

「引き受ける」

 

電話を切る前に、

二人が語った、

あのように。