2019年の年越し。

 

東京オリンピックを迎える2020年、

お店を余儀なく閉めなければならない事態になるなど

誰が予想していただろうか。

 

2020年3月半ば、

世界中でコロナ感染者が増え続け

どうなるかわからない、

初めての緊急事態宣言が出されるかどうか

まだ、それも決定していないころ、

 

ひそかに閉店をしたお店があった。

 

エビスビールのえべっさんが

でっかいお腹を出して

にこやかに笑っているあの姿を見る度に

 

私もまた、いつか・・。

こんなところで

お食事を楽しめる

そんな心の余裕をもって、

 

少し、気持ちを打ち明けることができる

そんな友人たちができたなら、

また、昔のように

楽しくワイワイと笑って過ごせる日がくるかしら。

 

そうおもって、

自身の復帰祝いはここでやりたいと。

しらない間に気持ちを寄せていた

気になるお店。

 

2020年3月中旬に

久しぶりにその店の前を歩いたとき、

 

立ち止まってしまった。

 

開店より長年のご愛好誠に有難うございました。

 

太い筆で

心を込めてすった墨汁の墨で一文字、一文字丁寧に

書かれた閉店のご挨拶。

 

よもやこのようなことになるだろうとは誰も予測しなかったはず。

 

その後、緊急事態宣言が発令され、

見事に周りのお店全てが一時休業を余儀なくされた。

 

現在、何店舗かは営業を再開しているが、

いまだに5月中旬まで一時休業しますの張り紙が張られたままで

営業を再開していないお店がある。

 

まだ、

一度も暖簾をくぐったことのないお店。

 

いつか、

ここで笑いながら楽しいひと時を過ごそうと自身に言い聞かて

耐えている毎日。

 

その暖簾をくぐることなく、

お店の方々のお顔をみることなく、

 

閉店をしてしまったお店、

休業中のお店がたくさんある。

 

このお店で働く皆さまはどのような方々なのだろうか。

ご家族はいるのだろうか。

生活に困っていないだろうか。

 

新しいお仕事をみつけて

お元気で過ごされているのだろうか。

 

お会いしたことも

話をしたこともない方々が気になり、そのお店の前を歩くと

胸が苦しくなる。

 

どうか、

元気でいて欲しい。 いつの日か知らずしらず

あなたの横をすれ違う時がくるかもしれない。

 

その時に

あなたの笑顔を見ることができるなら、

あなたの笑い声を聴くことができるなら、

私はとても救われた気持ちになるでしょう。

 

一日も早く

平穏な日が訪れて欲しい。

 

この世にいる全ての人に。

全てのものに。