ずうっと下を向いてしゃべらなかったいつ君ですが
少しづつ声が聞けるようになりました。
私たち(父と母)がしゃべっていることを
オーム返しするようになったのです。
声が聞けるのは嬉しいことですが
こだまのように、会話が反復されるので
私たちはとてもしゃべりづらくなりました。
この頃いつ君のことを
こだまくんと呼んでいました。
私たちの会話を反復することで
しゃべることを思い出し
練習しているようにも見えました?
そんな時、母に胃がんが見つかり
手術することになりました。
医師から病状の説明があるとのことで
家族全員で聴きに行きました。
いつ君も留守番ができないので
一緒に行きました。
生死にかかわる様な深刻な話で
母は心臓が飛び出しそうに
バクバクだったのですが
一方で、いつ君が医師の話を
オーム返しするのではないかと
これもドキドキでした。
難しい話なのでオーム返しはできないのですが
何か勝手にしゃべりだしそうで
心配でした。
結局母は医師の話に集中できず
これからどうなるのだろうと
不安だけが残りました。