3ヶ月連続リリースに寄せて | bullpen lab. blog

bullpen lab. blog

8ronixの定点観測@bullpen lab.

もう2月も5日ですね。
あけおめです。

すっかり更新(交信)が途絶えてる間にbullpenワークスとなる
REFRESHMENT RECORDS三ヶ月連続リリースプロジェクトの各作品が出揃ってしまいました。

すでに多方面で話題になっておりますが、
せっかくなのでこの三作品の制作に間近で携わった者の視点を記しておきたいと思います。


----------------------------------------------------------------------------------------

$bullpen lab. blog
FOOL / SHOW & TELL

このアルバムの制作が始まったのいつだっけか?
まだ旧bullpenの頃だったから2年くらい前だったかな。
その時はまだREFRESHMENTからという話は無くて、
FOOL自身も身銭を切って自主盤で出すつもりだったと思う。
その後少しの中断期間を経て、制作が本格化したのが1年くらい前。

レコーディングのほとんどはFOOLと私のマンツーマン。
私も最低限のディレクションはするものの、基本的なOK判断はFOOL自身という
ソロMCの1stにしてはけっこう酷な制作環境だったと思うし、
本人もかなり手探りで進めてた部分も多かったのは間違いない。

それでもRECを重ねる度に確実に成長していく過程が見えたし、
なにより彼のMCとしての基礎体力の高さに驚いた。

多くのトラックメーカーの多彩なビートに対して彼なりの解釈とボキャブラリーで挑み、
気づいたら乗りこなしてしまっているというシーンがアルバム中に何度か聴くことができる。
その感覚こそがFOOLというラッパーの音楽的な魅力だと思います。

売り文句として「あの芸人の弟」という打ち出しになってますが、
そこはあくまできっかけ。
このアルバムを最後まで聞き終わった時にFOOLの真価に気づけるはず。

発売中です!

----------------------------------------------------------------------------------------

$bullpen lab. blog
Z.O.E. / EMOTIONS

SPIRITUAL JUICEなんていったら自分が18くらいの時、初めて行った渋谷FAMILYで
ヒリヒリするような緊張感と浮世離れした存在感でキレキレのライブしてたあの人たちですよ。

当時といえばさんぴん以降グイグイとメジャーに食い込んでいくヒップホップシーンの
ある種カウンター的に「アブストラクト」とか「音響系」などと呼ばれるカテゴリーの
ダウナーなアンダーグランドヒップホップが一大勢力を築き、
SPIRITUAL JUICEもその文脈で語られることが多かったグループだと記憶してますが、
個人的には他のアブストラクト系にくらべてよりヒップホップ愛の強い
正統派アンダーグランドという認識で毎回ライブを見てた思い出があります。

もちろん当時は恐くて声をかけるなんてできませんでしたが...
「エイチアイピー エイチオーピー スピリット」というフックの曲をいまだにおぼえてます。
(違ってたらごめんなさい)

同じ渋谷FAMILYでフルメンの五十嵐にZ.O.E.さんを紹介してもらったのが3年くらい前だったかな?
その時点でアルバム作りの話はしてたと思いますが、これもFOOLと同様にRefreshmentから出す計画
はまだ無かったはず。
そしてフルメンの二枚のアルバムに客演の後、
JUCOのトータルプロデュースでアルバム制作がスタート。

経験値の高いZ.O.E.さんですからラップのうまさは文句無し。
ただ、そこからもう一皮むけるための挑戦がこのアルバムの裏テーマだったと私は勝手に思ってます。
挑戦しすぎてボツになった曲もありましたねw

ちなみにTr2-[Beating]のイントロとアウトロ、Tr3-[K.P.W]のアウトロでしゃべってるのは私ですが、
あまり気にしないでください。

発売中です!

あ、WENODの購入特典で[Up To Present feat. Deji & Meteor 8ronix remix]が付きます。お早めに!


----------------------------------------------------------------------------------------
$bullpen lab. blog
FULLMEMBER / TALK TO HER

自分の見るかぎり、今作の制作が始まった段階(去年の夏)では
フルメン内には何というか「焦り」みたいなムードが漂ってたいように感じた。

それは、例年通り11月にリリースするにはあまりにもタイトなスケジュールだったこと以上に、
今まで出した4枚のアルバムに費やしてきた時間と労力に対して
彼らが感じた手ごたえが決してイコールではなかったことに起因するのものだと思う。

強行スケジュールを組んで11月にリリースすることもできたはずだが、彼らはそれをしなかった。
瞬発力だけで作った曲を集めてアルバムという体裁をつくるわけにはいかなかったんだろう。
そりゃそうだ
5枚目のアルバムといったらこの世界じゃ立派なベテランだ。
トライブなら「The Love Movement」だ。
近しい後輩達の台頭ももちろん視界に入ってただろう。
例年通りの ~話題そこそこ~ の及第点では何より本人達が満足できなかったんじゃないだろうか。

ディスクユニオンの特典CDに収録された「Three Months」という曲の中で
彼らはリリースが遅れた言い訳を切々と唄っているが、
むしろこの遅れた三ヶ月という時間はアルバムを出す意味をもう一度見つめなおすという
重要な機能を果たしたと個人的には思っている。

そして結果としてFULLMEMBERの5枚目のアルバム「TALK TO HER」は傑作になってしまった。

今までのFULLMEMBERを知ってる人にもこれまでと違う感触が確実に伝わっているはず。

そして初めてFULLMEMBERの作品に触れる人にはこう伝えたい

「CAN YOU HEAR ME? これがFULLMEMBER!」

ってね。

発売中です!


----------------------------------------------------------------------------------------

この3ヶ月連続リリースプロジェクトに関わった皆さん、大変ご苦労さまでした。
もちろんアルバムというのは出して終わりじゃないので、引き続き精進してまいりましょう。
Tai-shi社長が焼肉奢ってくれるってさ。



では!