「亡くなっても
鼻と耳は聴こえているそうです。」
先日、兄ちゃんが亡くなったとき
葬儀屋さんが教えてくれたこと
命が終わって
家に帰って
和室に兄ちゃんが横になっているときだった。
さっきまで
鼓動を打って
目も開いて
身体もあたたかかったのにね
なんだか
現実のことと思えなくて
家族でしばらく呆然としながらも
やらなければいけない
段取りや事務連絡とかにも
背中を押されていて
感情と身体は
違うように働くんだな
せつない器用さだな
なんておもうほどで
まるで ただ眠ってるような
兄ちゃんがそこにいる
そんなとき
葬儀屋さんが教えてくれたこのことは
わたしたちを勇気付けてくれたよ
兄ちゃんの好きだった
チートス（笑）
鼻の穴にはいっちゃいそうなほど
うりうりしながら
いっぱい いっぱい
おしゃべりした
他に何が好きだったかな
みんな
思いつくそれを
思い思いに持ってきては
一緒に おやつの時間
父さんは
朝一番の一服
煙草に火をつけて
自分がふかしたあと
兄ちゃんの 口元にそれを運んだ
あぁ・・・。
あのシーンは
わたし
きっと忘れることができない。
香り
言葉
声
兄ちゃんに届いてるって
なんか
すごいよね
わたしは
まだ 死んだことがないから（笑）
それがほんとかどうかはわからないけど
嗅覚と聴覚
あらためて
この人生
香りと言葉
もっと
感じ、味わっていきたいな。
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