Soup and Ideology | 土曜の夜ならいいですよ∞本と映画と戯言と(終活日記)

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日々思うこと、昔話、いろいろ綴ります。


この日見た映画は、ドキュメンタリー映画。
Soup and Ideology
梁英姫監督のお母さんを撮り続けた作品。
お父さん中心に帰国事業で北朝鮮へ向かった兄たちをテーマにしたディア・ピョンヤンの続編的な作品。
母親は済州島4・3事件から逃れる為に、18歳の頃弟と妹を連れ命からがら日本に密入国した。
当時の済州島では赤狩りをうたい朝鮮半島を分断国家としてしまう李承晩政権へ反対する人々が虐殺されていた。歴史的な済州島への差別意識も拍車をかけえいたようだ。
済州島から日本に逃れた人々の中では北朝鮮を支持する人も多い。
母親は今なお北朝鮮国籍である。
韓国政府の特例措置で済州島での追悼式へ向かう姿を母親の人生を振り返り、また、今を確認して描いている。梁英姫監督の夫は亡くなった父親は許さなかったであろう日本人。
この映画のプロデューサーでもある?母親の心に溶け込もうとする努力には、個人的には痛々しさも感じた。母親はアルツハイマーとなり、それを支える梁英姫監督と夫の姿は、介護をしているどこの家庭に出てくる様々な問題や苦難を感じた。
日本人とも韓国人とも異なるイデオロギー。それは一人の人間の生き様であり、否定できない。