知の巨人 立花隆のすべて | 土曜の夜ならいいですよ∞本と映画と戯言と(終活日記)

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日々思うこと、昔話、いろいろ綴ります。


ムック本はほとんど買わないが、自分の中で立花隆プチブームなので手に取る。
これまで立花隆さんの著書を何冊も読んでいるが、自らのことを書いたものもあった。
こちらは関係者から見た立花隆論かもしれない。
生前の文藝春秋での対談も数本収めされている。司馬遼󠄁太郎さんとの対談ではオウム真理教についての認識からの日本人の宗教観を語る部分があり、司馬遼󠄁太郎さん独自の司馬史観的な発言に、否定的な意見を立花隆さんが返しているところが面白い。
田中角栄の疑惑から日本共産党の研究にいたる部分は、特に日本共産党の研究を読んでいたので、取材の裏事情が興味深い。
立花隆さんは、正義のために取材し追求しているわけではない。
職業作家のスタンスである。
だから幅広い分野に足を踏み入れられたのだろう。
大学での立花ゼミ生による立花隆さんの人となりや、未完に終わった最後の著書の話も印象的。
買って損はなかった。