学研パブリッシングの調査で、「主婦が幸せに暮らせる街ランキング」で全国1位（2014年）は、住宅・観光・産業・文教都市、藤沢。

気候も温暖であることから、鵠沼、片瀬地区は明治時代中期より別荘地として、大正期以降、皇族や政治家、数多くの学者や文化人などが居を構え、芥川龍之介、武者小路実篤、岸田劉生ら多くの文化人の創作活動の場となった場所だという記事を読んでいた。

なぜここまで人々が藤沢を愛するのかがわかった。

私も同様で、日本に行くと湘南の波に乗りたくなり、結果藤沢周辺にいることが多い。

湘南の屈指のタウン藤沢市。その玄関口となるのが藤沢駅。

歴史を調べてみると、明治20年（1887年）に藤沢宿の玄関口として開業。じつに創業１３０年になる歴史ある駅。

現在JR東日本、小田急電鉄、江の島電鉄が藤沢駅に乗り入れていて、JR東日本と小田急電鉄を足すと、なんと1日平均乗降人員が272,000人にもなっていた。

さて、その藤沢駅、江の島側の出入り口が南口であり、ここに前出の江ノ電と、小田急の改札口がある。そこから横浜銀行を目指し、その裏に回り込むように数分歩けば、８ホテルの敷地に入れるだろう。

東海道の時代はここを藤沢宿とあり、その花沢町は静かな場所で、明治の藤沢駅開業時でさえも静かだったと、藤沢資料館の文献に書いてあった。

藤沢は、私のライフワークであるサーフエリアに近い。

８ホテルより東に行けば、世界的な波質のポイントブレイク各種がある。

そして、七里ヶ浜には、独創的なリーフ波が多々あり、ホテルから南。つまり正面はビーチブレイクが拡がっている。ビーチブレイクは海底が平坦で長く乗れ、ときには極上となる波質、そして西に行くと、世界的な河口波までがある布陣が湘南の波であります。

友人たちもたくさんいて、ヘアカットでは、『世界で一番』だと太鼓判を捺すサロン『ヘア・カリフォルニア』もあり、さらには大好きなお店や飲食店もたくさんあるから。

私が湘南に滞在するときはこの８ホテルと決めている。

アメリカのブティックホテル風でいて、とても簡素で金銭的にも気軽でありつつもホテル内のインテリア、そして各々のアート作品からインスピレーションを受けるからに他ならない。

さて、原稿仕事がたくさんあったので、『わしわし書くぞー週間』と題して、８ホテルに泊まっていた。

だが、編集長の願い空しく、台風波が入ってきて、初日はサーファーズ岬で波乗りとなった。

夜明け前に駐車場に着いて、というあれだ。

けれど、正午くらいから波は徐々に小さくなり、午後にはほぼ無くなってしまった。これはいわゆる相模湾の限定的地形が引き起こす『湘南マジック』というやつである。

そんなこんなで、波乗り後は原稿を書けばいいのに、友人たちとひさしぶりの酒を飲み、部屋に戻ってきて、気合いを入れて目的遂行となった。

眠い、背中が痛い等々あったが、星飛雄馬のような根性である程度執筆することができた。時計を見るとすでに朝。そこからベッドに滑り込むように入り、目が覚めたらすでに正午。

でもまだたっぷりと疲れている。

水を飲み、インスタントコーヒーを飲みつつ、原稿の手直しをして、シャワーを浴び、またベッドに寝転びながら椎名誠さんの著書を読んでいた。

その内容は、『わしらは離島で肉を焼く』。天才である。

そう椎名さんを立てた瞬間に猛烈にお腹が空いてきた。

ちょうど昨夜の記事で書いたのが豚肉のこと。豚肉には「疲労回復」に最適とされるビタミンB1が多く含まれていて、それは牛肉の約１０倍もあり、さらにアルコールの分解にも最良で脳の働きを活発にさせるとあった。

そんな前振りもあって、たっぷり豚肉が食べたいと直感的にかつ切に感じた。

そういえば韓国料理店がホテルの裏にあった。

日本で『韓国料理』というと、つい牛焼肉を連想するのだが、以前に美人編集者が、「韓国料理は豚肉が主流なんです」と、その大きな目をくっきりとさせながら言っていたのを思い出した。

iPhoneの時間を見ると、どうやらランチタイムは終わろうとする時間だった。

ベッドから跳ね起き、さっと着替え、ホテル玄関を出ると、『ヘア・カリフォルニア』のドアが開いていた。食後に開いていたら顔を出してみよう。

さてさて、タイムパーキングの横をすり抜けお店の前に来た。ホテル玄関から５５歩といったところだろうか。『豚まる』という屋号が頭上にあり、ガラス越しには、営業している風の客数だった。『ランチMenu11:30 – 3:00』の立看板。とするとまだまだ間に合うようだ。

豚ですぞと、嬉々として店内に入り、サムギョプサルとビビンパを注文する。

注文しすぎのようだが、これで豚肉と野菜、たっぷりのご飯を得て、さらには夜中までご飯はいらないという心持ちの闘魂猪木さん流のオーダーだった。

今思うと、これは超一したパワーを手に入れたいという薬膳系からのものであったに違いない。

サムギョプサルという言葉を調べてみると、「サム」は3、「ギョプ」は層、「サル」で三枚肉。すなわち豚のバラ肉を使った焼肉料理のことを指しているとあった。

そしてビビンパは、「まぜる（ビピン）」「ご飯（パプ）」という意味で、具は野菜や肉、卵の通常５種類と記されている。

さらに韓国のメインエアラインの大韓航空は、機内食がこのビビンパで、これにより国際トラベルケータリング協会 (International Travel Catering Association) が主催するマーキュリー賞 (The Mercury Award) の最高賞を受賞（1998年）している。

だが、もはや２０年前のそんな権威や賞は古いので、現在ならJALの「RED U-35」や、「Soup Stock Tokyo」「資生堂パーラー」とのコラボ機内食が賞を狙っているのだろうか。

そんなことを検索していたら、さらにお腹が空き、店内を見渡すと韓国色でスパムまでも韓国語で書かれていたので写真を撮った瞬間、サムギョプサルとビビンパが「ハイ、ゥマチドウシャマ〜」という声と同時に出てきた。

以前に教わった韓国語でコマッスムニダ〜（ありがとうございます）と妙齢のお姉さんに言うと、それはうれしそうにアニエヨ〜（いえいえ）と返ってきた。

本場風の焼けた鉄板の上にコンガリと焼けた豚肉がたっぷりと並んでいる。顔を近づけるだけで熱い。

左手にチシャの葉を乗せて、大きめの肉、白菜キムチ、ニンニクのかけら、青唐辛子、赤く辛そうなペーストを順にのせて頬張ると、うれしさが私を稲妻のように貫いていった。体が欲していたものを食べる効能は、やはり王道だったようで、しばらくのあいだ体に震えるような余韻を残した。

次は小さめの肉片を選び、キムチにごま油をたっぷりとかけてご飯と一緒に口に入れると、幼少時に行った焼肉屋さんを突然思いだした。

昭和４０年代、私の家族の注文は、牛のみならず、豚も注文していたに違いないと、幼少の頃の記憶が立ちのぼってきた。

味の記憶というのは不思議で、豚肉を食べることでこの感動を受けるとは夢にも思わなかった。

部屋に戻り、ネットフリックスで名作映画『オーシャンズ１３』を見た。ジョージ・クルーニーとブラッド・ピット、アル・パチーノ、マット・ディモン、ジュリア・ロバーツの豪華な作品は、先ほどいただいた豚肉ランチのようでありました。

“Ton-Maru（豚まる）” the store name means probably ‘Pork’ and ‘Fat’ by Japanese naming. Very Authentic Korean Restaurant. Enough that I'd come back to get a full Korean craving satisfaction! Came here for anytime besides breakfast or super late night.

“Ton-Maru” is a bit on the smaller side given how crowded it was that day, with around an equal number of BBQ Pork vs. regular tables. Man, this place smells so good it'll have your mouth watering by the time you get to the table. Only downside is “Smoke OK” environment. The meat tastes great and the ‘サムギョプサル, 삼겹살, 蔘鷄湯, samgyŏpsal(Cover photo)’ seasoning is to die for. This place is a must go to while you're in Fujisawa!

豚まる----------------------------------------------------------------------------

神奈川県藤沢市鵠沼花沢町2-16

0466-86-7886

ランチ 11：30～15：00（ラストオーダー14：30）
ディナー 17：30～23：30（ラストオーダー 23：00）

不定休／日曜営業