先日読んだ「社会心理学講義」を、少しずつ読み返しています。
同じ本をもう一度読むのは、サンデル教授の「これからの『正義』の話をしよう」以来です。
少しずつ感想を書いていきますが、その中には批判的なコメントも多くあると思います。
しかしそれは、下らない本だったと言いたいわけではなく、自分が「おや?」と疑問に思ったことを少し考えてみたものですので、どうか読まれた方、お気を悪くされないよう。
素晴らしい内容の本だったので読み返しておりますので・・・
序 社会心理学とは何か
第1講 科学の考え方
著者である小坂井氏の、「社会心理学の可能性や使命」についての熱い思い、本来の「あるべき姿」からかけ離れた現状に対する不満が伝わってきます。その中では、現代の社会心理学者の志の低さや、周囲の人間の科学への取り組みの凡庸さ、「実証を重視し理論的考察を疎かにする傾向」に対し、時折辛辣とも思われるような、厳しい言葉がぶつけられています。最初にこんな愚痴のような内容を持ってくるとは、よほど不満がたまっておられるのでしょうか。
「大きな射程を持つ理論が放棄され、細切れの小理論ばかり提唱されている現代の社会心理学を立て直さなければ」という思いを強く持っておられる小坂井氏の学問に対する向き合い方が、周囲の方々のそれと違うので、物足りなく感じておられるのでしょう。
私も仕事をしながら、同じような気持ちになることはあります。
それが顔に出て、「何を難しい顔をしながら仕事してるの」と言われることもしばしばです。
しかし、科学や仕事に対する関わり方は人それぞれで異なるでしょうし、努力したって、誰もがニュートンやアインシュタインのような偉業を達成できるわけではありません。
「自分はただ実験的事実を積み重ねるだけで、何の理論も構築できなかったけれども、次世代の天才が斬新な理論を打ち立ててくれたらそれでいい」という考え方もあるでしょう。
何より小坂井氏は、
「究極的真理や普遍的価値は存在しない」
「異質な生き様への包容力を高め、世界の多様性を受け止める訓練を来る世代に施すことが使命だ」
とおっしゃってますから、ご自分の持論を展開するのはいいとしても、志の低い同僚を批判するのはやめておいたほうが良いのではないかと思うのです。
なんだか自己矛盾しているようにも思えるので・・・
今日はここまで。