英語を勉強する、というときに、

 

Listening

Speaking

Reading

Writting

 

4つの能力を高めていくのが良い、相乗効果が見込める、とよく言われます。

 

決して間違いではないと思います。

が、ノンネイティブが、英語に囲まれているわけでも海外に行くわけでもない超ドメドメの環境で、

いきなり、4方向から勉強を始めようとするのはあまり効率が良くない、と、ある程度基礎力を鍛えて、スコアが700を超えてからBerlitzに通い始めた私は感じました。

 

よく、

話すのには文法は関係ない、と言われます。

ある意味、間違いではないですが、ある意味間違いだと思います。

発音が悪かろうがフルセンテンスではなく単語で答えようが、

拾ってくれる人は拾ってくれますし、まあ、最低限の会話は成り立ちます。

ボールを投げて、返ってくる、打たれた球を打ち返す、1往復くらいなら。

文法は、やはり必要です。

(余談ですが、Berlitzのプライベートレッスンでは、受動態や過去形のedを忘れたり冠詞をつけ忘れたり、前置詞を間違えるだけで徹底的に直されます)

 

日本語同様、英語も話し言葉と書き言葉は違いますが、話し言葉にも基本的なルールはあります。

書き言葉に比べて、いろいろなものが省略されることはあっても基本的には文法に沿って成り立っています。

他動詞の次には目的語(O)が来る、当たり前ですが、名詞を修飾するのは形容詞、など。

基本的なロジックが頭の中にないと、Listening力も上がらない、というのが、経験上私が学んだことです。ただ、ロジックが頭の中にあるということと、ロジックをベースに、日本語に置き換えて考えるというのは全く別物です。あくまでも英語は英語のまま理解できるようになることが必要です。

 

ゴールをどこに据えるか、にもよりますが、TOEICを越えて本当に英語を使いこなせるようになるためには、あるいは、TOEICの勉強に活かすためにも、

学習のレベルに応じて、やることは変化させる必要がある、と思います。

レベルに合わないことに手を出しても、無意味とまでは言いませんがかなり効率が悪いです。

 

たとえば、

これからTOEICを初めて勉強しようとする、

普段英語を使っているわけでも、英語が得意だったわけでもない人が、

いきなり英会話に注力しても、(Listeningはともかく)TOEICのReadingのスコアはまず伸びません。

Reading特有の単語、言い回しがありますし、Part.5で言うなら文法の厳密性、語彙・語法が重要になり、Part.7だと読むスピードを上げる必要があります。

聞き取る力、話す力と、読むスピードは個人的には連動・比例しないと思っています。

TOEICが900点、満点でも英語を話せるとは限らない、というのは、この逆です。

文法的正しさの知識や読解スピードが上がっても、話すという能力は全く別です。

(頭の使い方が違う、と個人的には思っています。ただし、高スコア=語彙力などが備わっていて、十分な下地があるのでその気になればかなりのスピードで習得できると思います)

 

何はさておき、

就職、転職、昇進その他、何らかの事情でどうしてもTOEICのスコアが必要なら、勉強する順序にも戦略が必要になります。戦略を立てるには根拠が必要です。

得手不得手などによっても変わってくると思います。

 

あと、やってもあまり意味がないなと個人的に感じたのは流し聞き。

リピーティングやシャドウイングをしない、単なる流し聞きで英語が聞き取れるようになる、ということはまずありません。

王道と言われている勉強方法は、まず、ディクテーション、そしてリピーティング、シャドウイングとなるわけですが、これは健常者の方でも、難聴者でも同じです。

 

リスニング対策をし始めたころ、

ディクテーションを行い、あまりの聞き取れなさに愕然としましたが、

たとえば、冠詞など、そもそもかなり弱く発音される音もあり、これは難聴者だから聞き取れないわけではないことを学びました。(herはハーとは聞こえない)

 

日本語は一音一音はっきりと発音するのが良しとされますが、英語は滑らかさや意思を込めるかどうかで強弱(リダクション)やアップダウンがありますし、

一度の息継ぎで一気に話す言葉が多く(=長く)、息を吐きながら話すなかで強弱をつけ、話しきるので音の変化も著しいです。(リンキング、リエゾン、フラッピング)

 

ご存知の方も多いと思いますが地域によって発音が変わる音もあり(オーストラリアはなぜかエがアになる、paperならパイパー、eitherはアイザになる)、

英語はそういうものだ、日本語とはこういう違いがあるんだ、と自分のなかで言語化できるようになるまでに、少し時間がかかりました。

日本語と英語はそもそもいろいろな点で違いがあるので、最初の目安は、日本語脳、日本語的思考から脱することかなと思います。

 

また、漫然と英語を聞いているだけでは絶対にスコアは上がりません。

世の中に、「聞いているだけで英語がペラペラに」という広告がありますが、絶対ムリです。楽して英語が聞き取れるようになる方法なんてありません。

これは、健常者も難聴者も同じだと思います。大人は特に。

 

難聴の種類にもよると思いますが、私の場合は子音の聞き分けが非常に苦手で、これは英語を勉強する上では致命的で、ゆえにリスニングの負荷が高いと認識しています。

(日本語は必ず母音があとに残るので、かすかに残る母音と文脈から単語を推測してなんとか会話ができますが、英語は母音と子音とも日本語に対応しない音がたくさんありますし、無声音があったり、一音一音はっきり話さない=滑らかさ命=曖昧な音が多いので聞き分けにくいです)

 

というわけで、目下、リスニングは試行錯誤中ですがPhonixや英語耳を取り入れつつ、Part.2〜4対策をしています。(Phonixや英語耳についてはまた改めて)

 

いろいろ脱線してしまいましたが、

テキストも問題集も、レベルに合わせたものから始めるのが間違いありません。

間違っても、学習開始時点で、英語が得意ではないのに、いきなりTOEIC730とか、860とか900をターゲットにしている本を選ばないことをおすすめします。

ただ、ボキャビルに関しては例外で、基礎レベルまで遡らなくとも、とりあえずまずはTOEIC向けの単語がまとまったものに取り組むのが効率が良いと思います。

 

理由は、TOEICに出てくる単語はレベル感がまちまちで、レベルが高めの単語で頻出の単語も多いためです。

 

それと問題集を買うときは、一度、解答についている解説を読んで、自分の理解力にマッチするかどうかを見極めて選択されることをおすすめします。

 

たとえば、この本、

 

 

中身は申し分ないのですが、個人的にはこの本は、1000本ノックを2周くらい回して、なおかつ文法の知識がある程度ついてからでないと、ちょっと厳しいと感じました。なぜなら、1000本ノックほど解説が充実してはいないからです。(おそらくスペースの都合でだと思いますが、なぜ誤答になるのかまで説明がないので、なんでこれが誤答になるんだろう…?というケースが初期の頃は結構ありました。成長とともに少なくなりますが、超初期の頃に手を出すと、モヤモヤしそうな気がします)

 

Part.5対策では、1000本ノックをはじめ、私はトータルで2000問以上解いていますが、そのなかで、着手すべき順番を意識する必要性を実感しました。

 

1000本ノック以外の初期のおすすめは、以下の2冊です。

 

 

 

また、以下の2冊は、Rが400に近く、アビメでもPart.5はパーセンタイルランクが80くらいのわたしでも未だに結構落とす難易度です。

ある程度仕上がってから手を出したほうが良さそうです。