プロの世界
4日のG球場。
この日の朝、全体練習の前に、
全員が食堂に集合した。
マスコミや、ファンの目に届かない場ということで、
朝礼の場に食堂が選ばれたのだろう。
この日、先日戦力外を通告された9人の選手が、
G球場を訪れた。
食堂では、9選手による最後の挨拶が行われていた。
ミーティングが終わると、全選手が沈痛な面持ちで、
グラウンドへの階段を降りる。
「1軍でも、こういうのはあったけど、
2軍の場合はもっと厳しいね…。」
仁志選手にとっては、この時期に2軍に居るというのは、
プロ入り以来初めて。
この場に居合わせたのも初めてだった。
「ある程度、数年先が見えたら、先のことも考えとかないとね…
そうしないと、次何していいかわからないってなっちゃうから…」
高校生ドラフトが終わり、来月には社会人・大学生ドラフトも
控えている。
来る人が居れば去る人がいる。
1995年 ドラフト1位
原 俊介内選手。
捕手として、東海大相模高校から巨人入団。
ミーティングが終わると、トレーニングウエア姿で、
室内練習場を使って体を動かした。
62番のユニホームは段ボールの中…。
ウォーミングアップから、マシン打撃。
そして、バットを置くと、キャッチャーミットを取り、
マシンの球をミットで受け止める。
受けては、ネットへ返球。
これを黙々と繰り返す。
1995年 ドラフト2位
仁志敏久内野手。
日本生命から巨人入団。
2007年。12年目のシーズンを迎える。