函館のイカどこいったー



うん、調べた。函館のイカ、2026年は本当にかなり深刻。 「漁師の腕」とか「たまたま今日釣れない」という話じゃなくて、スルメイカそのものが函館沖にほとんど来ていない状態になってる。

今年6月1日の解禁日、函館から9隻出たのに漁獲はほぼゼロ。さらに5月の函館水産試験場の調査では、調査開始(2001年)以来初めて1匹も釣れなかった。6月の取扱量も、かつて465トンあった水準から2.8トンまで落ちたと報じられてる。

原因は一個じゃなくて、主にこの複合。

  • 海水温・海流など海洋環境の変化で、スルメイカの産卵・成長・北上ルートが変化している。
  • そもそも日本周辺のスルメイカ資源量自体が長期的にかなり減っている
  • だから「函館沖だけにいない」というより、スルメイカの群れそのものが昔の規模ではなくなっている。海水温上昇だけで全部説明できるわけではなく、資源管理や漁獲圧も論点になっている。

しかもこれ、今年突然始まった話じゃない。2025年の解禁初日も函館で水揚げゼロ→初競り中止だった。それが2026年も続いて、2年連続で初競りができない異常事態になった。

なので、れいかが聞いた「函館でイカ釣れん」はかなり正確。

面白いのがここからで、「じゃあ函館に来るはずだったイカはどこへ行った?」を海流・水温図と一緒に追うと原因がかなり見えてくる。 日本海側・青森・道東あたりまで今年どこで獲れてるか調べてみようか。




うん見てきてー




見てみたよ。「函館に来るはずのイカ、どこ行った?」は、2026年の最新調査を見るとかなり面白いことになってる。

結論からいうと、単純に「函館から道東へ移動した」わけではない。むしろ今年比較的まともに反応が出ているのは、北海道より南の「三陸~常磐」側。



水産研究・教育機構が7月31日に出した2026年8~9月の最新予測では、

常磐~三陸 → 前年を上回る予測
津軽海峡~道南太平洋 → 前年並み
道東太平洋 → 前年を下回る

になってる。しかも三陸の調査では、イカの密度が高い調査地点が2021年以来4年ぶりに確認され、仙台湾のトロール調査では直近5年間で最も高い分布密度が出た。

一方、函館に関係する津軽海峡~道南太平洋では、調査船が今年もスルメイカを1匹も取れなかった。6月の函館港への小型イカ釣り船の水揚げも**前年の22%**しかない。

さらに日本海側を調べると、もっとすごい。

2026年5月下旬~7月中旬に日本海54地点を調査したところ、平均CPUE(イカ釣り機1台・1時間当たり)は0.20尾で過去最低

北海道の道北・道央は0尾
道南・津軽は0.002尾
本州北部日本海は0.16尾。
西部日本海は1.10尾。
沖合も0.13尾。

つまり「函館から日本海を北上して北海道西岸へ行っちゃった」という説明も成立しにくい。北海道日本海側にもほとんどいない。

そして、ここが重要。

スルメイカには大きく、日本海を回遊する群れと、東シナ海付近で生まれて黒潮に運ばれて太平洋を北上する群れがある。2026年は日本海系の群れがものすごく弱い。一方で太平洋系の一部が三陸付近に出ている、という構図に見える。

だから今のところ、

東シナ海 → 黒潮 → 常磐・三陸 ↑ → 津軽海峡・函館 ↑

という太平洋側のルートでは、三陸あたりにはいる。でも函館まで十分な量が上がってきていない、という状態。

しかも今年は、東シナ海で生まれた幼生が黒潮続流域まで運ばれる条件をシミュレーションすると、直近5年で2026年が最も悪かった。水温だけじゃなく、海流による「赤ちゃんイカの輸送」がうまくいかなかった可能性も出ている。

なので「海が暑いから函館を避けてもっと北へ行った」だけでは説明できん。

そもそもイカの絶対数が少ない+幼生の輸送条件が悪い+回遊経路が偏って、今年は三陸側に比較的まとまっている。

というのが、2026年8月現在の調査から一番自然に見える。

なお9月末に第2回太平洋スルメイカ長期漁況予報が出る予定。

これ、9月の調査が出たら「三陸にいたイカが函館まで上がったか」がかなり分かるよ。

9月末に結果が出たら追いかけるようにもできるよ。

9月の函館イカ調査を追う


 


んー?イカとれるの秋やなかったー?




そうそう。れいかの「イカって秋じゃなかった?」という感覚、かなり合ってる。
さっき私が「6月に獲れない=今年もかなりヤバい」と強めに結論づけたのは、ちょっと早かった。

函館のスルメイカは、制度上の漁期はだいたい6月~12月(道南では翌1月までの場合も)。ただし、回遊して成長するから、時期によって全然違う。函館市も「6月から秋に向けてだんだん大きくなる」と説明している。

実際、2025年度がまさにそのパターンだった。

6月は初競りが中止されるほど不調だったのに、その後増えて、9月には230トンまで水揚げされ、最終的に6~翌1月で694トン。令和に入って2番目に多い年になった。

つまり、

6月「全然おらん!」
→ 7~8月 北上してくる
→ 8~9月 分布が北まで広がる
→ 秋 函館周辺でまとまって獲れることがある
→ 10月以降 成熟した群れが南下を始める

という動きがある。北海道の研究機関でも、太平洋系群は8~9月に最も北まで分布し、10月以降は産卵のため南下するとしている。

だから今は8月21日だから、むしろこれからが重要。

2026年も「6月に函館で全然獲れなかった」だけでは、秋も壊滅するとまではまだ言えない。去年なんて6月がダメだったのに9月にドンと来たからね。

となると、面白いのは「去年8月21日時点ではどこにイカがいたか」と「今年8月21日時点」を比較すること。これやったら、今年の秋に函館へ来そうか、かなり見えてくる。