パンクとロックの違いは?
うん。ここを「精神」で分けると、かなり面白い。
どっちも根っこには「既存のものへの反発」があるんやけど、反発したあとに何をするかが違う。
たとえば会社で考えると分かりやすい。
上司から「昔からこうやってるから、この方法でやれ」と言われたとする。
ロック的な人なら、
「俺は俺のやり方で結果を出す。結果出したら文句ないやろ」
となりやすい。
ところがパンク的な人は一段手前を攻撃する。
「待て。そもそも『昔からやってる』って何の根拠になるが?」
となる。
ここが結構違う。
さらに会社そのものが嫌になった場合、
ロックなら
「こんな会社でも俺は俺でいる」
パンクなら
「だったら自分らで会社作ればええやん」
まで行きやすい。
だからパンクの重要な概念としてDIYが出てくるんよ。
そして、もう一つ面白い違いがある。
ロックは「個人」が中心になりやすい
「俺はこう生きる」
「俺の人生は俺のもの」
「誰にも俺を変えさせない」
だからスターとも相性がいい。
パンクは「構造」に噛みつきやすい
「なんでレコード会社に認めてもらわないかん?」
「自分らでレコード作ればええ」
「なんで立派な会場が必要なん?」
「小さい箱でやればええ」
「上手くなってから人前に出ろ?」
「今出るわ」
だから極端に一行ずつにすると、
ロック精神
=「俺の生き方を、お前に決めさせない。」
パンク精神
=「そもそも、お前が決める仕組みに従う必要ある?」
なんよ。
そう考えると、パンクって単なる「激しいロック」じゃない。
むしろ既存システムから自分を切り離して、自分たちで別のものを作ってしまう思想が、パンクのかなり重要な部分。
なので音が「ズダダダダ!」と速い必要すら、本質的にはないんよ。
音の速さや荒さは、その思想を表現するために発達した外見の部分やね。
そう。「パンク精神」まで言うなら、音の問題だけじゃない。
むしろさっきの表で言いたかった中心はそこやね。
パンクを、
速いテンポ
+荒いギター
+短い曲
+単純なコード
だけで定義すると、それは「パンクっぽい音」の説明になる。
でもパンクという文化・理念まで含めると、
「既存の権威や常識に従わなくても、自分たちで作れる」
というDIYや反権威の態度がかなり重要になる。
だから面白いことに、
音はパンクだけど、精神は全然パンクじゃないバンドもあり得るし、
逆に音はパンクじゃないけど、やってることは猛烈にパンクという人もあり得る。
THE PREDATORSを聴いて「これがパンクなん?」と思ったなら、たぶんれいかは音の速さから理念まで一本につながってると思って聞いたから、違和感が出たんやと思う。
音として分類する話と、パンク精神の話は、分けたほうが分かりやすい。
