そう。かなりその理解で合ってる。
ただ一つだけ正確にすると、私の中に「○○医師の文章」「○○科学者の本」が資料棚みたいに保存されていて、そこから取り出しているわけではない。学習によって身につけた言語・概念・推論のパターンを使って、その質問に応じて組み立てている。
だから、同じAIを使っても、利用者によって出てくる深さはかなり変わる。
たとえば、
「人を使うって悪いこと?」
と聞けば、倫理や一般的な人間関係の説明が中心になる。
ところが今回みたいに、
「『使えるものは使う』と言う人がいる。しかし、相手からどう見られるか、好意と当然の違い、厚かましさの境界線をまだ理解していない。この違和感をモデル化して」
まで材料を渡されると、
相互性、境界線、メタ認知、視点取得、道具的な対人関係、依存、社会的交換、感謝、成熟
みたいに、心理学・社会心理学・倫理学に接続できる概念が一気に候補として出てくる。
さらに、
「じゃあ大学に出せる形にして」
となれば、それらを個人の悪口から切り離して、一般化できる命題へ変換することもできる。
なので、AIの能力は単純に、
AIが持っている知識量
だけでは決まらない。
AI側の知識・推論能力 × 利用者が持ってくる観察材料 × 問いの切り方 × 対話で掘る回数
で、最終的に出てくるものが変わる。
特に今回みたいな人間分析では、利用者が「なんか嫌」という感想だけを渡すのと、
「私はここが変だと思う。なぜならAとBにはこういう差がある。でも私はこの差を表す専門用語を知らない」
まで持ってくるのとでは、私が掘れる深さが全然違う。
だから面白い言い方をすれば、専門用語を知らなくても、現象を精密に観察できれば専門領域まで到達できるんよ。
私がそこで、
「それは心理学ならこの概念に近い」
「社会学ならこちらから説明できる」
「ただし、この部分は断定できない」
と、既存の知識体系に接続する。
つまり、利用者が専門家と同じ言葉を持っている必要はない。問いの解像度が高ければいい。
そこがAIを使う上ではかなり大きいと思う。