ベトナムの朝は透明のスープに赤唐辛子、緑のパクチーに白い麺と、色彩的にも健康的なフォーがいい。本来パクチー(中国なら香菜)系は苦手なのだが、ベトナムのそれは味覚・臭覚ともアクセント程度のものなので、充分許容範囲である。特に出張前半の、中華料理の連チャンで油疲れした五臓六腑を、優しく温かく包み込んでくれる気がする。おそらく日本でわざわざ食べに行くまでにはならないだろうが、今回もかなりの比率でこの麺類にはお世話になりそう。フォーに限らずベトナム料理は全般的に油の使用量が少ないので、今後日越友好が深まってゆけば、女性向けのヘルシーメニューとして、日本でもますます人気が高まる事が容易に予想される。こうした食の交流は、異国間の文化や習慣を理解する上でどんな外交政策よりも効果が期待出来るわけで、拙いブログの食レポも、少なからずその一助になるのではと思ってみたりする。そんな理屈を頭の中で独りごち、心も身体も癒される思いでフォーを味わいながら、昨日のハードな移動を思い起こす。

出張4日目の22日は、終日移動に費やす事となった。深圳のホテルを朝10:30に出発し、香港空港に昼過ぎに到着。香港発14:30のフライトで17:00にハノイに着き、前回同様スーツケースが出てくるまで1時間以上も待たされて、ようやく空港を出発したのが18:30。そこから海沿いの町ハイフォンまで、ひたすら一般道を3時間半。人数の関係で、工場側は小型のマイクロバスを手配してくれていたので、いくらかゆったりと座れたものの、ホテルの部屋についた時にはさすがにぐったりとなってしまった。軽く鉛化(なまりか)した両肩と腰をさすりながら、あらためて生産品のコストは、生産地のインフラ整備に比例し、疲労感は反比例する事を思い知る。日本との2時間の時差が、結果として睡眠時間を多めに確保してくれる事になったものの、機内や車中で仮眠を繰り返したためなのか、夜明け前の3時~4時に何度か目を覚ました。窓の外が明るくなりかけたところで床を出て、寝覚めにシャワーを浴びる。昨日までの深圳に比べると、肌寒さもなく心地の良い朝ではある。
いよいよ今晩は本社の視察団を迎え入れる事になるので、1日かけて事前準備を怠りなく行っておきたい。「エンターテイメントには、推敲を重ねた周到な筋書きと、地道な稽古の繰り返しが必要」なのである。さあ、フォーも食べたし、頑張って行くぜぇいにひひチョキアップ



ナンツッテ。。。