今年に入り、国内外で殺人事件が続いています。そんな凶悪事件以上に衝撃を受けたのが、ヘリウム吸引事故でした。
1月28日、BS朝日の番組収録中に、アイドルグループ「3B junior」メンバーの12歳の少女が倒れ、脳空気栓塞症と診断され、意識が完全には戻らない状態にあるそうです。
中高年のおじさんが永年の不摂生の結果として脳梗塞になるのは自業自得といえますが、何の落ち度もない少女の今後の人生を思うとやりきれない気持ちになります。
番組をもりあげるためとはいえ、ヘリウムを吸わせるようなことをする必要があったのか、疑問です。そのような飛び道具を使った笑いをアイドル番組には求めていません。
メンバーの年齢層が「3B junior」とほぼ重なる「さくら学院」のファンとして、さくら学院出演の番組「LoGiRL」を毎週欠かさず視聴しているのですが、メンバーのグダグダトークを「かわいいなあ・・・」と思いながら、癒されているのです。
ネット上ではテレビ朝日の責任を問う声が大きいようですが、ヘリウム吸引によって脳空気栓塞症のような重大な傷害が生じることを現場の人が予見できたかど
うか。詳細な事実関係が分からないのでなんともいえませんが、テレビ朝日の法的責任を問うにはハードルが高いかもしれません。
疑問に思うのは、そんな危険なヘリウム缶の販売をなぜ規制しなかったのか、という点です。司法試験的には「規制権限の不行使」の論点ですね。
ヘリウムガスを吸うことにより重大な傷害を引き起こす危険性があることは今回の事故で明らかです。また、少女が吸ったヘリウム缶には「大人用」と記載され
ていたということですから、子供が吸うと重大な傷害が生じる危険があることを行政側は知っていたはずです。さらに、パーティーなどで子供が面白がって吸う
ことは容易に想定できるし、多量に吸い込んでしまうことも通常の用法の範囲内といえます。
そうすると、子供が吸っても問題がないレベルにまで薄めたものを販売するように規制すべきです。行政がかかる規制権限の行使を怠ったことは著しく不当といえ、損害賠償責任が生じると考えます。