・読書感想：「原敬「平民宰相」の虚像と実像」（中公新書） | 雑文・ザンスのブログ (ameblo.jp)原敬については書いていた。山県有朋は近くにいたら「気難しい爺さん」として敬遠するかな・・。この本を読んで、話の流れはわかったが、もう少し肉付けの知識が必要だ・・・。

・内務官僚のトップ、あるいは軍制度のトップで、長州閥の錚々たる人脈にも入っていた。薩摩の大久保が暗殺された後釜は、伊藤博文、日本の軍隊を作り上げた大村益次郎のあとは山県有朋だったんだろう。

・大警視の川路利良もそうだったが、武士の端くれで、平時であれば、全く「お呼びがかからない」身分。乱世で武功をたて、藩の上層部に認められ、引き立てられる。山県は、その過程で、「松下村塾」にも学び、人脈を得る。

・また「洋行」も三度して、自治、選挙など新制度の導入に役立てている。明治天皇は、西郷の横死の後「・・精神的喪失感は大きく、政務に不熱心になり、天皇と伊藤をはじめとする薩長主流派との間にも隙間風が吹き始めていた・」(p.69)という状態だったという。その明治帝から大正帝、（皇太子の時の）昭和帝に衷心から仕えた。

・作庭家としても有名で、京都の無鄰菴、目白の椿山荘、小田原の古希庵があるという。古希庵だけ見たことが無いが、古稀庵 (小田原市) - Wikipediaにあるように毎週日曜日に庭園が一般公開されている。現在「あいおいニッセイ同和損害保険の小田原研修所となっている。本館のあった場所には研修所の建物が建っているが、1984年（昭和59年）には、山縣有朋自筆の「古稀庵」の額を掲げた茅葺屋根の門が入口に復元され、また庭園についても、洗頭瀑、聴潭泉、兜岩等が現存している。」そうだ。（Wikipedia）

読書感想：「山県有朋」（小林道彦著・中公新書）