中学生のときだったか、

「ストレスを解消できるのは、

運動だけ」

 

そう保健体育の教科書に

「断定」口調で書かれて

いるのを読んで、

 

私は、それを

我田引水。

 

これを書いたやつは、

自分が運動好きだから、

都合が良いことを

書いているにちがいない。

 

そう断定した。

 

 

ところが、

現在ちまたで

ベストセラーになっている

『運動脳』アンデシュ・ハンセン著

によると、やっぱり

運動こそが、ストレスに対する

最高の治療薬らしい。

 

 

中学生当時も、そして今も

私は運動が嫌いで、

運動なんか義務付けられたら

ストレスにしかならないと

思っているけど、

あにはからんや。

 

ストレスはホルモンと

関係が深く、

ホルモンと運動もまた

関係が深い。

 

 

 

 

 

その根拠はというと、

HPA軸というものが関わっている。

 

HPA軸というのは、

H…視床下部

P…下垂体

A…副腎

 

HPA軸は、あなたが

ゴキブリを見て、

「ぎゃぁぁぁぁ」と

悲鳴をあげることと

関係している。

 

危険や恐怖を感じた時に

コルチゾールというホルモンを

出すシステムだ。

 

つまり、ストレスだ。

 

HPA軸が動くのに、

時間は1秒もかからないという。

 

あなたの口の中は乾き

冷や汗が額を流れ落ち、

瞳孔が開いて

心臓がバクバクする。

 

ゴキブリを見た時に限らず、

かかってきた電話が恐ろしい

内容を告げたときや、

試験の前にも

同じシステムが作動する。

 

 

 

このHPA軸は、生命維持に必要な

システムだとみなされているが、

 

悪いことに、ストレス状態が

継続すると、脳の海馬の細胞を殺す

 

言葉がうまく出て来なくなったり、

記憶が混乱したり、

かなりヤバい。

 

 

重いストレスや不安を抱えている人の

脳みそを調べると、本当に

海馬が平均よりちょっとばかり

小さいことが分かっているそうだ。

 

コルチゾールというホルモンが、

海馬を蝕んでしまったのだ。

 

 

運動は、そのコルチゾール対策に

なるのだという。

 

 

ただし、どんな運動でもいいわけではない。

 

心拍数があまり上がらない運動と、

サイクリングを30分するくらいの

軽く心拍数が上がる運動だと、

サイクリングの方が成績が良かった。

 

それは、普段から運動して

筋肉マチョマチョのひとか、

私のような普通のひとかとは

関係なかった。

 

どんな身体の人でも、

サイクリングを30分くらいして、

心臓にちょっとだけ負荷をかけて

あげると、コルチゾールが減るのだ。

 

さらに、運動は、減った海馬も

回復させるらしい。

 

ストレスの治療薬として

運動を超えるものは

ないのかもしれない。

 

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