できること、できないこと。
得手不得手。
鍼灸の技術的な限界。
ちょっとはた目にはわかりにくいです。
「鍼灸って、何のときに行くの？」
と聞かれてしまうほどに。
まず、鍼灸は、検査力で
病院に全く太刀打ちできない！
レントゲンもないし、MRIもないし、
血液検査もできない！
まったく勝ち目なし！！
腫瘍ができても、発見できません！
さらに出血はするし、青タンはできやすいし、
鍼が刺さるから痛いし、ぐりぐりされて、
さらに痛いのを痛くされるし、
たまに血が噴き出るし、痛いし、痛い。
血液が外に出るってことは、
感染リスクがあるってことだし、
ゴミが出たら医療廃棄物になるし、
鍼は使い捨てだから、コストかかるし、
こんな具合で、鍼灸には、
デメリット、いっぱいあります。
でも、これだけデメリットが多いのに、
現在まで、こうして鍼灸が存在していて、
世界中でもてはやされているのは、
（意外に、日本以外では、研究もされてるし、
保険も使えるし、評価が高い）
他の治療法より、優れた側面があるから。
というか、他の治療法は、
鍼灸のマネって、まずできませんわ。
１．鍼を刺すと血行が良くなる。
マッサージとかカッサでも良くなるけど、
深部に働きかけられるのは、
刺す鍼灸だからこそ。
２．皮膚の下にあるコリに直接アタックできる。
これはもう、他の代替手段がない。
骨まで触れるのが最強の強み。
３．麻酔がいらない。薬を使わない。
副作用リスクがゼロ。
４．現代医学は薬とかの開発コストが∞
鍼灸は、せいぜい鍼代で安い。
５．未知の副作用がない。だから
適切に扱えば、この上なく安全。
６．患者の免疫力が上がる（必然的に）
風邪をひきにくくなる、病気に強くなる。
７．痛いけど、痛さの調整がある程度できる。
死ぬほど痛いとかではない。痛いけど。
コリと言うのは、一番深いところにある奴は
骨にくっついてる。
骨膜というのに、こびりついて、
ピリピリした神経痛を引き起こしたり、
しびれたり、麻痺したりの原因を作るコリは、
骨にくっついてるやつが多い。
次に深いのが、筋肉。その中でもインナーマッスル
を癒着させてるやつ。これに鍼を刺すと、
ドーンという重い感じが出る。
インナーマッスルが癒着すると、
ありとあらゆる不調が起こりうる。
内臓系の疾患も、このインナーマッスルの癒着と
関係あるものが多い。
内部で陰圧？があがって、内臓の動きが悪く、
血行不良を起こしていることが多い。
血液が生きにくくなった、ゾンビ状態の筋肉が、
意外に体の深部にはたくさんある。
それを発見できるのは、おそらく鍼灸師だけ。
比較的浅いところにある筋肉の癒着と
筋肉（筋膜）と皮膚の間にある癒着。
これも問題で、「痛い」という感覚は、
このレベルのコリをとると、
ある程度取れてくる。
整膚術というのがあるけど、
以前の記事で、「腱鞘炎は、皮膚をツネツネする」と
よくとれると書いたのは、この整膚術。
腱鞘炎は、深部のどこかに原因があると
思われがちだけど、実際は、
こういう浅い筋肉（筋膜）と
皮膚の間に問題があることが多い。
骨、インナーマッスル、浅い筋肉、
皮膚の間にあるコリの存在に、
気が付くことができるのは、
私が、実際に、鍼を刺して、
身体の各層を、直接観察できるからです。
なんぼ皮膚の上からこすっても、
実際鍼で確認するほど
わかりやすくはありません。
鍼灸しかないし、鍼灸ができることはすごい。
痛いというデメリットは大きいけど、
痛さを避けていては、治るという結果は
得られません。
まぁどうしてもいやなら、麻酔をかけて
外科手術…
最終的にはそれしかなくなります。
鍼灸とは比べ物にならない、
大きなリスクをとっての外科手術。
間違った神経を切っても、
麻酔をかけてると、そう気づくことができない。
大きなデメリットです。
鍼灸の最大の強みは、
体の深部のコリを直接治療できることです。
浅く刺すとか、
皮膚の上からこするとかじゃ
無理なもんは無理です。