私は、整体師より、柔道整復師より、
カイロプラクターより、
鍼灸師の方が、人の体がよくわかっていると
吠える人間ですが、
それには根拠があります。
鍼を「体の中」に刺しているからです。
人間の身体って…優秀ですよねぇ。
旋盤工の人は、指先で、数マイクロミリという
厚みを感じわけることができるんです。
鍼灸師の指先も、なかなかのものです。
コリなのか、骨なのか、筋肉なのか、
腱なのか…
目には見えない体の中を、鍼先の
感覚一つ頼りに刺していくのですから。
「一般に」コリといった場合、
人が考えるのは、肩こりのような
塊のことです。
けれど、太ももには、繊維状のコリがあり、
五十肩の人の方には、石灰の塊があり、
骨棘（こつきょく）といって、
骨の変形したものがあり。
粘土のような感触の部分もあれば
カサカサ潤いがない部分もあり、
溶けたキャラメルが冷え固まったような
落雁（らくがん＝和菓子の一種）のような
お菓子のラムネのような
コリには、本当に様々な顔があります。
はた目には、私たちがやってることは、
ただ「鍼を刺している」だけでしょう。
ツボという謎の部位を刺していると
思われているのかもしれませんし、
「気」とやらを操っていると
思われているのかもしれません。
しかし、鍼灸は、東洋医学の外科です。
もともとは、傷の膿がたまったところを
切開する技術が、鍼の始まり。
鍼灸の鍼は、針ではなく、鍼と、難しい字を
書きますが、
それは、針の形をした「メス」だから。
鍼は、針型をした、手術用のメスなのです。
そして、
白血球やマクロファージが、どう頑張っても
とることができなかったコリを
私たちが代わりに取り除くことで、
血流を正常化し、身体を治すという技術なのです。
私たち鍼灸師は、鍼先が触れるコリの性質や
形状を見抜き、今日もせっせとコリを取り除きます。
身体の、お掃除を、ご本人の白血球たちに
替わって、引き受けているのです。
身体の内部に入り込んで、そういったコリを
取り除くことは、他の治療技術ではできません。
病院で外科手術を受けるか。
鍼灸治療をするかでしか、コリに直接触れることは
叶わないのです。
いくら皮膚の上から、こすり、動かししたところで、
骨のきわっきわのところにこびりついた、
キャラメル状のコリをとれますか？
他の治療家は、触るどころか、
その存在に気づくこともできません。
鍼灸治療を受けてください。
他の治療法とは、一線を画した治療法ですから。