鍼灸は、東洋医学の外科部門です。
コリを取り除き、
血流を改善して治すというのが、
その治療の理屈。
皆さん、コリと聞いたら
肩こりなんかの、手で触って
ゴリゴリと硬いものを
イメージすることでしょう。
でも、コリの実物を目にしたことは、ないかもしれません。
もし、あなたが、何かの機会に
医学部での解剖の実習に参加するとしても。
コリの正体って、何でしょう?
乳酸の固まったもの
老廃物の固まったもの
色々説はありますが、
コリの正体は、「筋膜の癒着」
という説が、現在有力です。
なんでしょうね。
筋膜の癒着…、
わかるような。
わからないような。
筋膜が何なのか、意味不明。
筋膜の実物は、
料理をする方は
目にしたことがあると思います。
トリのささ身をスーパーで買ってきて、
そのささ身を覆う、薄い膜。
ちょっと肌色がかった色合い?
黄色っぽい?
無色透明?
そんな膜が、筋膜。
私たちは、
運動した時や、
足がつったときなど、
「筋肉がこってるからだ」と
思ったりしますが、
実は、筋肉そのものには、
痛覚とかはないそうです。
しかしその膜…筋膜には、
痛覚が感覚があり、
だるさ、重たさも、筋膜が
感じている感覚なのです。
私たちが普段感じているコリ感は、
筋膜が「あ~~しんどいなぁ。
働き過ぎて疲れたなぁ」と
訴えている感覚なのです。
そんな風に、筋膜を疲れさせる原因が、
筋膜と筋膜、筋膜同士の癒着で、
癒着は、筋膜同士が、乗車率200%の
満員電車のように、ぎゅーぎゅーと、
お互いに押し付けられ合ってるような
そんな状態です。
不快感も出るというものですよね。
夏の満員電車の車内といえば、
暑いの臭いの、きついの、重いの。
そういえば、コリ感…
熱感がありますね
重いと感じることも。
もちろんきついし、しんどいです。
そして、鍼灸は、べっちゃりくっついた
筋膜の癒着を剥がす
技術の王道です。
腕っこきの指圧師でも、
どうにもならなかったコリに
直接鍼を刺せるのですから。
他にも色んな手段はありますが、
マッサージなど、皮膚の上からのこする
アプローチでは、とても分厚い
筋肉のベールの奥には
届きません。
鍼灸より上の手段となると、
麻酔をかけての外科手術で、
そこまでこじれると
入院です。
色んな病気が、コリを取り除かず、
こじれにこじれ、
手が付けられなくなった結果です。
一例をあげると、
たとえば、胃の不快感。
背中にびっちり、コリがたまっています。
背中のコリをとるどころか、
背中に鍼を刺した途端、
「胃が動き出しました!」
と患者さん。
他にも、ココには書ききれないほど、
様々な健康上のお悩みが、
コリと深く関係しています。
コリは万病の元、
万病の一歩手前の状態なのです。
しかし、そんな「病気の手前」の
不快感の段階で、
鍼灸治療を受けておけば、
入院したり、薬を飲んだり
せずに、解決できることが多いのです。
病気に「なってから」治すと、
大掛かりになってきます。
病気になる前に、その芽を鍼灸で摘む
のです。
他の手段は、鍼灸の代わりにはなりません。
鍼灸治療を受けてください。