暦の上では今日は「処暑」でした。


暑さが徐々に和らいでくる時期に入りますが、夏バテと食中毒に気をつけて下さい。



何ごともそうですが、物でも機械でも壊れてしまうのは、あっという間ですが、これをもとにも戸津となると、かなりの時間を要します。


事故や災害、そして戦争なども含めて、破壊はほんの一瞬の出来事ですが、そこからの復旧や復興、修復には、その何百、何千もしくはそれ以上の労力と時間が必要となります。



人の身体は、これらにもまして複雑なシステムと、微妙なバランスによって成り立っているいわば「小宇宙」とも呼ばれる精妙な存在です。


一度、このバランスを崩してしまうと、それぞれの部位や機能が連動して、様々な症状を来してしまいます。



多くの病気の背景に共通してある問題は、病気や症状を「修復」もしくは「回復」するための仕組みが、何らかの理由でうまく機能していないことが大半です。


鍼灸は「気血」や「臓腑経絡」といったシステムを整備することによって、身体がもとに戻ろうとする力を背後から手助け、応援する治療方法です。



したがって、それまでの生活習慣や環境などによって、治癒の過程や期間には個人差があります。


しかし、それは同時にその人それぞれのペースとタイミングによって、無理なく治っていくということでもあります。



これはたとえて言えば、同じ農作物の種でも、その種を植える時期や土壌や風土の違いによって育ち方が違うのと何ら変わりありません。


西洋医学と東洋医学とでは、治るという意味や背景が異なっていることを理解して頂ければと思います。