ここ最近、特に治療の間隔と期間についての質問やお問い合わせをよく頂戴します。



東洋医学では、「健康でないことすべて」が病気であると定義されています。


からだの気血や経絡、臓腑などの状態が「調和」していれば、病気は癒えていくものと考えられています。


本当の意味での病気とは、こうした気血、経絡、臓腑などの「バランスが乱れる」ことによるものです。


その「不調和」によって、からだが有する本来の「治癒力」、「回復力」、「抵抗力」などのメカニズムが正常に機能することができない状態となってしまっているのです。



東洋医学は特に気血の巡りの調整を通じて、気血の働きを活発にすることに重きを置いています。


この気血の循環や働きは若いほど活発であり、年齢に比例して徐々に衰えていきます。


治療の効果の発現もこれと同様に、年齢を多く重ねるほどに効果の発現には時間がかかってしまいます。


症状によっては、この気血の消耗の度合いによって、気血の回復にさらに時間を要するケースもあります。


患者さんの中には、回復を焦るばかりにより多くの時間と刺激を求められる方もいますが、人の身体には刺激に対する「許容量」が限られているので、不必要な治療は、逆に気血そのものの働きを損ねかねません。



これまでの臨床経験上、多くのケースでは症状が慢性化している場合では、週に1回から2回ほどの治療ペースで、平均して約3ヶ月ほどすると身体の状態が上向きに転じていきます。


身体の状態が上向きになるまでの期間は、治療というよりもむしろ「調整期間」であり、からだの「不調和」や「偏り」を整えるための「リセット」に要する期間でもあります。



効果を焦るあまりに早急な結果を得ようとするがために、かえって身体を痛めて、症状を悪化させないように治療のペースと期間を熟慮して頂ければと思います。