今日から7月となり、1年の半分を経ました。


季節の移ろいにしたがって、自然は様々な変化を見せてくれます。


それに伴って、人の身体や病も実に多種多様に変化します。


しかし、その根本は今も昔も変わりはなく、そのお蔭で鍼一本と艾一握という簡素な道具による治療が可能となっております。


鍼灸治療の目的とするところは「気血の調和」に尽きるものと考えます。


様々な痛みや辛い症状は、その部位の問題よりも身体全体の気血の滞りやバランス、それに伴う自己回復力の欠如による結果で現れたものだと考えます。


これを家にたとえれば、土台や基礎が狂っていたのではいくら柱や壁を修理しても、またすぐに壊れてしまうことと同じであります。


これは洋の東西に関わらず老練な医師や治療家は、皆口を揃えて症状を治すのではなく、その背景となる身体そのものを治すことが重要であると唱えていることからも、正しいことと言わざるを得ません。


一見すると遠回りに感じるようであっても、これが最も確実なのは先人の体験からも明らかなことであります。


もしかすると、こうした地道な方法がむしろ皆さんの身近で病苦にお悩みの方への一助となれるかも知れません。