ジイタンだよ ![]()
ジイタン早速ね、田舎に行ってひいおばあちゃんとかかりつけの医者に行ったんだよね。
その医者はとっちゃんを治してくれた人で、ひいおじいちゃんはその縁でね、その医者の後援会長みたいなことやってた。とにかくいろいろな事で頼まれなくてもあちこち面倒見たがる人だったからね、ひいおじいちゃんは。![]()
その医者が言うには、ひいおじいちゃんもともと血圧が高かったから、医者もそのことばかりを注意していて、ガンには考えが及ばなかったっていうんだよね。だから気がついたときには手遅れになっていたと。
医者としてそれは言い訳だよね。専門家のセリフではない。でもひいおじいちゃんが贔屓にしていた医者だから、文句も言わないでおいたけどね。
だからね、ジイタンは医者もハシゴするんだよ。今はもう気にしない心境だからハシゴしないけど、家族守らなきゃならない若い頃はね、一つの医院で終わりにはしなかったよ。その日のうちに二つか三つの医院や病院をハシゴして歩き、どこも同じ診断になって安心する。そんなことやってた。

用事があって来たふりしてひいおじいちゃんにも会ったけど、意外に元気なんだよね。ヨッ、ていつものように手を上げてね。少し痩せたかなってくらい。今なら一流病院で手術すれば直ったんじゃないかなって時々思うんだけどね。
でも当時はガンって言ったらもう助からないって先入観があったからね。あの医者も古いタイプの医者だから、そんな医学知識しか無かったかもしれないね。新しい知識があったとしても、基礎の概念が古さに縛られているとだめなんだよね。