東京電力柏崎刈羽原発を巡り、立地する新潟県の花角英世
知事が再稼働を容認し、県議会に信任を諮る考えを表明
したことに対し、県民や東電福島第1原発事故の被災者ら
約1200人(主催者発表)が25日、抗議の意志を示すため、
新潟市の県庁を取り囲む「人間の鎖」をつくった。
参加者は県庁に向かって「知事は公約を守れ」「県民に信
を問え」「県議会だけで決めるな」「再稼働の是非は私たち
県民が決めたい」とシュプレヒコールを上げた。
◆14万筆の署名…直接請求も議会に否決され
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を容認し県議会に「信を問う」と
した花角知事に対し、新潟県庁の周りを取り囲み抗議した人たち
2025年11月25日 20時16分
〈見切り発車、柏崎刈羽〉全3回
首都圏に電力を送る東京電力柏崎刈羽原発の再稼働が
現実味を帯びてきた。立地する新潟県の花角英世知事
が21日、再稼働を容認した。
県民意識調査では、福島第1原発事故を起こした東京
電力の再稼働に「条件は整っていない」とした声が6割
を占めた。
再稼働で地元経済の活性化を期待する声がある一方、
事故の危険性は格段に高まる。再稼働の準備は本当に
整っているといえるのか。
(この連載は、浜崎陽介、荒井六貴が担当します)
プレスリリース|新潟本社・柏崎刈羽原子力発電所|東京電力ホールディングス株式会社

柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働によって、東京電力
は収益改善を見込んでいるが、福島第一原発事故の賠償や
廃炉費用は巨額で、綱渡りの経営が続くことに変わりはない。
(経済部 久米浩之)
東電ホールディングス(HD)の2025年9月中間連結
決算は、最終利益が7123億円の赤字だった。福島事故の
核燃料(デブリ)取り出し準備費用として9041億円の
特別損失を計上したためで、中間期で最大の赤字となった。
東電は柏崎刈羽6号機に続き、7号機も29年度中に再
稼働させたい考えだ。火力発電の燃料費を削減できるため、
1基の再稼働で1000億円の収益改善を見込んでいる。
ただ厳しい経営は続く見通しだ。政府は廃炉や賠償、除染
など事故処理の費用を総額23・4兆円と見込んでいる。
このうち東電が17兆円程度を負担し、毎年5000億円を
拠出することになっている。東電は、柏崎刈羽原発の再稼働
とコスト削減で利益を積み上げる考えだが、「再稼働頼みでは
じり貧」(幹部)なのが実情で、抜本的な再建計画の見直しが
迫られる可能性がある。
一方で、原発の再稼働が進む電力会社の業績は好調だ。
全国最多の7基が稼働している関西電力は、25年3月期
まで2年連続で最終利益が4000億円を超えた。4基が
再稼働した九州電力も25年3月期の最終利益が1287
億円と過去2番目の水準だった。
柏崎刈羽原発と同型の原子炉が多い東日本では再稼働が
遅れており、「西高東低」は顕著だ。電気料金にも表れており、
東日本の電気料金は西日本と比べて相対的に高い。東電の
標準的な電気料金は、関西電や九州電より1割超も上回っている。
東電は、柏崎刈羽原発の再稼働を前提として現在の電気
料金を設定しており、再稼働しても当面は値下げしない方針だ。
ただ、柏崎刈羽原発の再稼働を契機に、東日本でも再稼働が
加速すれば、東西の料金格差が縮小する可能性がある。



