日本株、頼みは公的資金 | 株えもんのブログ

株えもんのブログ

株式投資や経済の話です


株えもんのブログ

株えもんのブログ

日本株の買いの主役が外人投資家から年金や日銀などの公的機関に変わりつつあります。日銀は昨年発表した包括金融緩和の一環として株価指数に連動するETFを8000億円購入し、最大の買い手となった。


有力公的年金も昨年7月から12月までに9000億円もの現物株を買い、外国人の売りを吸収する形になった。



東証の1日の売買代金は1兆円を下回ることが多くなり、値動きも乏しくなっている。多くの投資家が日本の株式市場への投資を見送っているためで、市場活性化に向けた企業や金融機関の取り組みが急務になる。


日銀は10年12月からETFの買い入れを開始。昨年の購入額は8003億円とETF時価総額の約3割に相当し、個人(約600億円)、外国人(約300億円)を大きく上回る。

 

日銀がETFの購入を増やしたのは、欧州債務危機が深刻化した昨年7月以降。下期だけで約5100億円買い入れた。買い入れに伴ってETFが上昇すると、証券会社などによる同額の現物株の買いを誘発する効果があり、株式相場の下支えにつながる。


 国内最大の公的年金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、昨年7~9月に約5600億円の日本株を購入した。


「10~12月の購入額も3000億円規模」(UBS証券)とみられ、日銀のETF購入と合わせた買い支え効果は約1兆4000億円にのぼった。


 東京市場で最も活発な投資家である外国人は昨年の売買代金シェアが過去最高の65%に達し、下期は約2兆円の売り越しとなったが、その7割を吸収した計算だ。


 銀行や企業の保有株を買い取る銀行等保有株式取得機構は、昨年942億円の株式を取得した。日銀には5700億円強のETF購入枠があり、今後も注目されそうだ。


 バブル崩壊後の1990年代には公的年金や郵貯マネーが日本株を買い支え、PKO(株価維持策)と呼ばれた。最近は株価下落に応じて機械的に購入する投資手法が中心。民間投資家の買い意欲が鈍く、結果として公的資金が突出するという図式となっている。


 生保などは債券運用に軸足を移し、個人投資家も昨年の株式買越額は約60億円にとどまった。東証1部の売買代金は10日まで18営業日続けて1兆円を下回り、8年半ぶりの薄商いとなっている。

 

株式市場活性化として市場関係者からの意見として、配当二重課税の見直しや、確定拠出年金の利便性向上が望ましいとの指摘が出ている。企業もM&Aや自社株買による投資価値向上が必要といった声もある。しかし一番効果が大きいのは日銀の金融政策が転換することです。



公的資金[ public fund [tax payers' money] ]とは  一般会計、特別会計、財政投融資、国債など最終的に国民の税金で負担する可能性のある財政資金の総称。1998年に金融システム安定化のため投入を決めた総額30兆円が典型例。


通常、預金者保護などの資金は民間の金融機関が拠出する預金保険料が原資になるが、政府は金融システム不安を抑えるため民間資金だけでは不足すると見て、公的資金の投入に踏み切った。ただ、経営状況の改善で大手銀行では公的資金を返済する動きが相次いでいる。



▼日銀のETF購入とは 日銀が2010年10月に決めた金融緩和策の一環で、総買い入れ枠は1兆4000億円。日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)連動型の上場投資信託(ETF)が対象。購入額はホームページで公表している。実際の買い注文は、信託銀行経由で入れている。


 日銀のETF買いは株式相場の上昇につながりやすい。その理由はいくつかある。一つはアナウンスメント効果。「日本株は割安」とメッセージが伝わり、一般の投資家に買い安心感を与えるとされる。需給面でも効果がある。


ETFが買われて価格が上昇すると、証券会社の自己売買部門などは割高なETFを売り、現物株をまとめて買う裁定取引を活発化。こうした取引が現物株相場の上昇を誘発する。