不動産会社の本格倒産時代は幕を開けたばかりだ。
まずは「資金状況」一覧(別表)を見て欲しい。▲(赤字)がズラリと並ぶ、見るも無残な状態だ。
表にした営業キャッシュフロー(CF)とは、営業活動で「入ってきた現金」と「出て行った現金」を計算したもので、要するに企業の現金収支。この数字が赤字だということは資金繰りが悪化していることになる。
突然死した東証1部上場の創建ホームズは、営業CFが75億円の赤字だった。同じく民事再生法を申請したアーバンコーポレイションにいたっては1000億円という膨大な赤字を計上していた。
「現金が入ってこないのだから預金を取り崩すか、金融機関から借り入れないとビジネスは回らなくなる。しかし度を超した貸し渋りで、とても資金調達できる状況にない」(不動産関係者)
アーバンの業績は悪くなかった。だが手元資金が不足し、あえなく「倒産」。いわゆる黒字倒産だった。いま不動産会社はアーバンと同じく、ほぼ例外なく資金不足に追い込まれている。
「現金収入が得られるはずの完成マンションが売れないのですから、営業CFは悪化します。しかもマンション市況の落ち込みは激しくなるばかりです。不動産関連の上場企業に限ると、CFは現在は80%以上が赤字でしょう」(帝国データバンク情報部の中森貴和氏)
表は「会社四季報」で不動産に分類される企業の業績を元にした。中間期(半期ベース)も含まれるため単純比較はできないが、それにしても赤字額はハンパじゃない。
「三菱地所や住友不動産などの財閥系や、バックがしっかりしている会社を除いて、どこが危機になってもおかしくない。資金繰りができずに倒れるところが、これからバタバタと出てくるでしょう」(中森貴和氏=前出)
不動産会社の本格倒産時代は幕を開けたばかりだ。
【「資金状況」一覧(営業キャッシュフロー)】
社名/金額(億円)/備考
●パシフィックホールディングス/▲647/07年11月期
●コスモスイニシア/▲508
●アルデプロ/▲494/08年1月中間期
●アトリウム/▲457/08年2月期
●大京/▲421
●日本綜合地所/▲406
●ジョイント・コーポレーション/▲333
●藤和不動産/▲311
●レーサム/▲277/08年2月中間期
●大和システム/▲236
●ランドコム/▲227/07年12月期
●東栄住宅/▲199/08年1月期
●トーセイ/▲195/07年11月期
●住友不動産/▲194
●日本レップ/▲192
●日神不動産/▲172
●東京建物/▲172/07年12月期
●ランド/▲163/08年2月期
●三菱地所/▲162
●モリモト/▲161
●原弘産/▲154/08年2月期
●ファンドクリエーション/▲144/07年11月期
●フージャースコーポレーション/▲143
●明和地所/▲138
●ダイナシティ/▲136
●FJネクスト/▲136
●上毛/▲119
●有楽土地/▲112
●ダイア建設/▲109
●ゼクス/▲105/07年11月中間期
●平和不動産/▲102
●飯田産業/▲90/07年10月中間期
●シーズクリエイト/▲89
●東急リバブル/▲83
●アゼル/▲79
●ディックスクロキ/▲76
●サンシティ/▲76/07年12月期
●穴吹興産/▲72/07年12月中間期
●アーバンライフ/▲69/07年12月期
●クリード/▲69/07年11月中間期
●Human21/▲69/07年10月中間期
●ゴールドクレスト/▲67
●ノエル/▲66/08年2月中間期
●ライフステージ/▲59/07年12月中間期
●東京建物不動産販売/▲56/07年12月期
●セントラル総合開発/▲54
●日本エスリード/▲53
●サンフロンティア不動産/▲49
●三交ホールディングス/▲44
●アーバネットコーポレーション/▲43/07年12月中間期
(▲は赤字、備考なしは08年3月期)
(日刊ゲンダイ2008年8月29日掲載)