ばあやは、マリーヌ姫がラピスさん(彼)の就職のお世話をしたことを知りました。
ここまで、世話をしないといけないのね。
マリーヌ姫は結婚しようと思って必死になっているけれど。
彼女の家族に就職まで世話をしてもらうなんて。
私がもしその立場ならプライドが許さないと思うわ。
ラピスさんにはプライドがないのかしら。
姫様はそんな人と結婚してはたしてうまくいくの?
ばあやは不安で不安でたまりませんでした。
マリーヌ姫はもうすぐ、大学を卒業するのよ。
だからこそ、マリーヌ姫に新しい男性を紹介してお付き合いをしてもらわないと。。。
姫様は、ラピスさんの経済問題を気にしてたわ。
そういうことなら、お金持ちのお坊ちゃまを姫様に紹介すれば、
うまくいくかもしれない。
現代は、恋愛結婚という流れがあるけれど、
それでも、好きになってしまえば、紹介から始まった恋愛だっていいはず。
イケメンのお坊ちゃまをマリーヌ姫に紹介してみるのもいいかも。
花嫁修業を経験させたので、
ラピスさんと結婚して、うまくいかないより、
お坊ちゃまと結婚して、うまくいかない方が、断然いいに決まっている。
だって、お坊ちゃまなら、慰謝料をたんまりもらえるでしょう。
そして問題なのはマリーヌ姫がお坊ちゃまを好きになれるか。
それからお坊ちゃまがマリーヌ姫を好きになってくれるのか。
やらないよりやってみる!
これが私の信条なのよ!
早速、ばあやはマリーヌ姫に
ラピスさんとお付き合いをするのはいいけれど、
他の男性とも交流をしてお友達を作っておいた方がいいです。
ラピスさんのことを愛しているのはわかっています。
だけど、この先就職してからどうなるかわかりません。
それを考えると他の方の選択肢があった方がいいと思えるのです。
エェー!
他の選択肢?
ばあやは私がラピスさんと別れるかもしれないと思っているの?
まぁ、無理もないかもしれないけれど。
私は、ラピスさん一筋でいきたいけれど。
他の人を見てみても時間が無駄な気がするの。
マリーヌ姫は不満そうに言いました。
確かに今はラピスさんとお付き合いをしているから、
目は向かないかもしれません。
他の人とお付き合いをすると考えるというより、
男女問わず、他の方と交流を持つことによって、
いろんな世界をお知りになることが大事だと思います。
王族というのは、ご公務でいろんなところに行ってお話を聞いたり、
そしてみんなにお話をされます。
そのためには、いろんなことを知っておかなければなりません。
予備知識がどうしても必要になるのです。
それを考えた時に、現在のお友達の狭い範囲でのお付き合いではなくて、
広範囲に交流を持ってみるのも必要だと思います。
広範囲?
確かに、私は大学の友達としか交流がないわ。
それ以外の友達か。。。
確かに必要かもしれない。
姫様は、大学を卒業されて、就職はされません。
必然的に、ご公務されてお暮しになることでしょう。
そうなったときに、いろんな方と交流されていたことが、
後々、役に立っていくことでしょう。
ばあやは、マリーヌ姫を説得するために、
自分のためになることだからという理由付けをしたのでした。
私、いろんな方に会ってみるわ。
何もしないよりは、飛び込んでいろんな世界を知ってみたい。
ラピスさんがどうとか関係なくね。
ばあやはホッとしました。
これから人選をしないとね。
姫様に合いそうな人と絶対に引き合わせるから!
ばあやはマリーヌ姫の幸せのために動くのでした。
はたして、ばあやはマリーヌ姫が気に入る男性を紹介することができるのでしょうか。