マリーヌ姫への第１回目の花嫁修業は、成功したようです。
ばあやは、
これで一般の国民の結婚というものがわかったはず。
幸せな結婚というのがどういうものか。。。
なんといってもマリーヌ姫は人を疑うということがないから。
そこが問題なのよ。
それでばあやは、
違うつてを使い、
次は、離婚歴のある女性の話を聞くことにしたのでした。
マリーヌ姫、次はまた違う方からお話を伺います。
ばあや！
楽しみにしているわ。
この間のあやのさんのお話はとても勉強になったもの。
そうでしょう。
姫様は、交友関係が限られているから、
いろんな方の話を聞くことが大事だと思います。
今回の方は、
春香さんです。
35歳でバツイチ、子供一人です。
ご自身で子供を育てていらっしゃいます。
現在は、実家で両親と一緒に子育てをしています。
旦那さんと結婚をしたのは、27歳で、
離婚をしたのは３０歳の時になります。
お子さんが１歳の時に離婚をされていらっしゃいます。
春香さん、こんにちは。
今日はよろしくお願いいたします。
こちらが、マリーヌ姫です。
春香さん、こんにちは。
今日はよろしくお願いします。
とマリーヌ姫は笑顔で挨拶をしました。
こちらこそよろしくお願いいたします。
私の話をお聞きになりたいとか。
はい、そうなんです。
マリーヌ姫は、今後のためにいろいろと参考になさりたいそうなんです。
私で良ければなんでも聞いていただければお答えいたします。
では、姫様、春香さんに質問をして聞いてください。
わかったわ。
ばあや。
では、春香さん、単刀直入にお聞きします。
離婚をされたと聞きましたが、どういう理由で離婚をされたのですか？
離婚した理由？
それは。。。
経済的なこととあとは旦那の浮気が原因よ。
経済的なこと？
というと。
私の元旦那とは、恋愛結婚で、
親の反対を押し切って結婚したの。
そりゃー！
結婚した当初は、かなりのラブラブだったわ。
私は、彼のお世話をすることに生きがいを感じていたの。
お世話？
マリーヌ姫は不思議そうに眼を見開いて聞きました。
そう。
お料理を作ったり、
それからお掃除をしたり、
洗濯をしたり、
もちろん私も働いてはいたけれど、
できるだけ私は頑張ったわ。
えぇー！
旦那さんは何もしないの？
そうなの、
彼は、古風な家で育ったせいか。
家事は女がするものという考えがあって、
男性は台所に入ってはいけないとそう思う親から教育を受けてきたの。
えぇー！
それじゃ、
春香さん、大変じゃない。
仕事もして家事もしてだと忙しくて大変じゃない？
確かに大変だったわ。
でも、彼はそれと同時に女性が働く子ことに反対をしていたの。
今時、女性が働くことに反対だなんて信じられないわ。
でも、そうだったの。
私は働きたかったから、
彼を説得して、パートをすることにしたの。
午前１０時から午後5時までの間だったけれど、
それでも少しでも稼いで家計を楽にしたかったの。
旦那さんは、収入の方はどうだったのですか？
正直いって
旦那の給料は一般のサラリーマンより安かったわ。
それでもなんとかやりくりをして頑張ってきたの。
それが、ある日、突然旦那が仕事をやめてきてしまったの。
どうも、上司と意見が合わなくて、嫌になって咄嗟（とっさ）に
仕事を辞めさせてくださいといったら、
上司は引き止めもせずに、
「いいよ」
と二つ返事でＯＫが出たらしいの。
つまり、彼は必要とされていなかったの。
それで、なにも計画もなく突然辞めてきてしまって、
次の日から職探し。
それなら、会社を辞めるのを止めると言えなかったの？
そんなの私の彼はプライドが高くてできなかったの。
そんなことがあって、
彼は職探しをするのだけど、
なかなか見つからなくて。
仕事はしていないのに、
家事は手伝ってくれないし、
挙句の果てに、家にいるせいか。
お姑さんのように、あそこが汚いここが汚いと、
毎日毎日、チェックして回るようになったの。
さすがの私もだんだん耐えられなくなってしまって。
でも、就職をすれば、これもおさまるだろうとずっと思って、
それを何とか抑えてきたの。
そして、私のパートの給料と貯金でなんとか食いつないできたのだけど、
それが突然、彼はもっとパートの数を増やして稼いでほしいというようになってきたの。
パートの数を増やす？
それは就職が見つからないから？
それなら、自分が就職できるまでの間、
パートをして稼げばいいのに。
姫様ごもっともです。
やっぱり、自分の食い扶持（ぶち）くらいは自分で稼いでほしいですよね。
家事もやらないのだから。
家族というのは協力し合うことが大事です。
そんなことがあって、しばらくはパートを掛け持ちして、
頑張っていたのだけれど。
ある日、旦那が若い女と歩いているのを見かけて、
それで浮気がわかったの。
後を付けたら、ホテルに入っていったわ。
そして写真を撮って。。。
私ももう嫌気がさしていたから、
浮気を理由に離婚を切り出して、
そして慰謝料をもらうことにしたわ。
自由になって、今は自分がやりたかった仕事をバリバリやっている。
今、思うと相手に合わせようと思って制限していたんだなぁと思ったわ。
だって、今は自分の好きなようにできるし、
お金にも不自由していないから。
確かに最初は好きという思いで一緒に暮らしていたけれど、
好きだけでは続かないなぁと実感したわ。
だって、暮らしが立ち行かなくなったら、
好きだという気持ちだけでは生活できないから。
それから二人の価値観の違いもネックになっていたと思う。
正直言って彼は男尊女卑の家庭で育っているから。
女は家で家事をしていればいいという考えよ。
私は違うもの、女だって自分で働いて自活しないといけないと思っていたし、
自分の能力を発揮した方がいいと思っていたから。
よく奥様っていうでしょ。
私は奥様なんてまっぴらよ。
私は私で奥になんて引っ込んでいないで、前にでていろいろやりたいと思っていたから。
確かに生活は大事かもしれないわ。
そして価値観も。
あまりにも違いすぎると後で喧嘩になるものね。
マリーヌ姫もそう思われるのですね。
私は、最初のうちはわからなかったの。
今になってようやくわかったわ。
なぜ離婚になったかも。
旦那の浮気がなくてもきっと離婚していたと思うわ。
結婚して、3年ほどで離婚できてよかったのかもしれないわ。
私は自分の好きな人生を歩むことができるようになったのだから。
当初、ご両親が反対されていたのは、
どういう理由からだったのですか？
まさか、二人の相性が悪いと思われていたのですか？
両親が反対していたのは、
旦那が男尊女卑の考え方をしているのが
気に入らなかったの。
私の性格ではきっと合わなくなると思っていたみたいよ。
確かにその通りになってしまったわ。
姫様、他にはなにかご質問はありませんか？
春香さんは、もう結婚する気はないのですか？
もちろん、あります。
前の失敗を踏まえて、
今度は冷静に判断をして、
結婚前に価値観や仕事のこともよく話し合って、
お互いに協力しあうことのできる人と結婚したいと思っています。
いい方が見つかるといいですね。
私、応援しています。
とマリーヌ姫はにっこり笑った。
春香さん、今日はありがとうございました。
とても勉強になりました。
春香さん、この度はありがとうございました。
第二回目のマリーヌ姫の花嫁修業は終わりました。
マリーヌ姫は、どう思ったのでしょうか。
ばあや！
春香さんの離婚理由は衝撃的だったわ。
そして、旦那さんの男尊女卑っぷり。
家事も全く手伝わなくて、
奥さんにパートを掛け持ちでさせて、
自分は浮気しているだなんて、
最低よー！
そんな旦那、離婚されて当然よ。
春香さん、男を見る目がきっとなかったのよ。
お気の毒！
姫様、春香さんは、最初はうまく行っていたのですよ。
だけど、自分では、よくわかっていなかったのです。
一緒に暮らしてみてようやく相手のことを知ることもあるでしょう。
それでも春香さんは旦那さんに合わせて頑張ろうとされたのです。
でも、浮気をされてしまったのでは仕方ないですね。
あっさりと別れることができて良かったかもしれません。
てもご両親は、春香さんのことをよく知っていらっしゃったから、反対されたのです。
そうね。
やっぱり、両親は、冷静に見ているからわかるのかもしれないわね。
春香さんもまさかこうなるとは思ってなかったのでしょう。
はい！
姫様その通りでございます。
マリーヌ姫は
うまく行くと思って結婚しても
結婚してからうまく行かなくなることがあるということが分かったのです。
結婚って難しいなぁ。
私は大丈夫かしら。。。
だんだん、マリーヌ姫は心配になってきました。
ラピスさん、収入は今はアルバイトの収入のみ。
まだ学生だから、いくら稼げるかわからない。
そしてまさか男尊女卑？
家事は全部私がやるの？
そして、男だからといって威張っている？
浮気をするかも？
心配になってきたわ。
この花嫁修業はとても勉強になるわ。
ばあや、とっても勉強になったわ。
次は、第３弾をしてね。
はい！
かしこまりました。
果たして、マリーヌ姫は、この花嫁修業で、
ラピスさんとの結婚に対して考え方が変わるのでしょうか。