レイモンド刑事は、マリーヌ姫とラピスさんがもし結婚したらどうなっていくのか。
そしてラピスさんがどうなっていくのか考えていました。
今まで、色々な犯罪者を見てきたレイモンド刑事だからこそ
ラピスさんのことを見抜ける部分もあるかもしれません。
ばあやはレイモンド刑事にラピスさんについて詳しく聞きます。
ラピスさんは前の彼女とはお金でトラブルをおこして、
交際を親から止められたのです。
姫様はそんなラピスさんと結婚したとして
結婚生活をしていけるのでしょうか。
そのあたりはレイモンド刑事はどう思いますか？
私はあのラピスさんは、
王族の仲間入りなんてまず無理だと思っています。
そして、親戚づきあいも難しいでしょう。
そうばあやは言った。
レイモンド刑事は、
僕は色々とラピスさんのことを調べたのだけど、
ラピスさんはまず勉強を全くと言っていいほどしていないね。
すべて、持ち上がりの学校に行っている。
これはいい私立にエスカレーター式の小学校から入れて、
大学卒業までいけるということでお金のある人はこういう風にするけれど、
だけど試験勉強をしないということは、本気になって勉強はしたことがないね。
そして、どうも遊びほうけていたようだから。
勉強はしてないだろう。
まぁ、能力がなくても人柄がよければいいし、
マリーヌ姫と一緒に仲良くやっていければそれで問題はないんだろうけど。
ただなぁ、お母さんの影響なのか、お金に対しては貪欲だろな。
内縁の父だった人に、２０歳のお祝いとして、
高級ホテルでパーティーをしてもらったりして、
かなり、かなりの贅沢をしている。
母子家庭でアルバイトしていると言っていたが、
こんなこと普通するか？
まるでやっていることが
どこかの御曹司並みだ。
まぁ、それを許した内縁の父も凄いけどな。
それはラピスさんへの母親への愛情表現の一つと思ってもしかないけれど。
つまり、問題なのは
ラピスさんはそうやって
自分に対してやってもらうのが
当たり前と思っているんだ。
じゃー、ラピスさんは
その内縁の父に何かしたかといったら、
何もしていない。
誕生日祝いをしてもないし。
そういう情報は聞いていないしなぁ。
もしかしたら、
釣った魚に餌をやらないタイプだったりしたら、
マリーヌ姫は不幸になってしまうかもしれない。
そうでないことを祈るけれど。
そして二人はまだ学生だし、
ラピスさんがどうやってマリーヌ姫を養っていくのか。
それもまだわからない。
結婚はまだ早いし、
もっとラピスさんが社会人になって
稼げるようになってから
結婚については考えた方がいいと思うよ。
マリーヌ姫はすこし夢を見すぎなんじゃないか。
学生の時にはよく見えても社会人になってダメになるパターンはいっぱいある。
よく引きこもりもあるじゃないか。
高学歴だからといってみんながみんな稼げるとは限らないからね。
よく考えた方がいいよ。
ただ、ラピスさんはアナウンサー学院に行っているくらいだから、
華やかな世界がきっと好きなんだと思うよ。
芸能界とかあこがれているかもしれない。
えぇー！
芸能界？？？
まさか。
そういえば、ある王国の王子は芸能界の人と結婚をしたという例もある。
まさか！
ラピスさん芸能人になるのでは。。。
それともアナウンサー？
でもアナウンサーなんて狭き門よ。
ラピスさんじゃ無理かも。
でも王族の特権を使えば通るかもしれないけれど。。。
ばあやの頭の中はぐるぐるといろんなことが駆け巡ります。
そしてレイモンド刑事は
まだ、ラピスさんは学生だから未知数ではあるよ。
だけど、あの母親がついているということで、
国民はきっと反対すると思うけれどなぁ。
よくよく注意をした方がいい。
そして、僕から見たら、
ラピスさんは決して真面目な学生ではない。
今楽しく過ごせて、いい思いができればそれでいい。
そして、何よりあの母親と一緒にいるんだ。
まぁ、マザコンみたいなところはあるだろう。
そういうことも踏まえておかないとなぁ。
これから就職してまずは真面目に働いてやっていけるかどうかを見ないとダメだね。
ばあやはこれまでのレイモンド刑事との話をまとめます。
① ラピスさんの母親のことがあるから、
国民は二人の結婚を認めないのではないか
② ラピスさんはまずは就職をして
その会社で真面目に働くことができるのか
③ ラピスさんは御曹司のような
贅沢を平気でする。
だから、姫様と結婚したとしても
それ相応にお金はかかる。
そしてそれはやってもらって
当たり前のことだと思う。
④ 母一人子一人、母子家庭だけれど、
母親の権限が強いから、
母親のいいなりになるだろう。
⑤ アナウンサーになったり、就職の時には
王族の特権を最大限に利用する可能性はある。
こんなところ？
とばあやがフゥーッ とため息をつきながら言いました。
グリナ（ばあや）さん、結構、あるなぁ。
僕から見るとこれを乗り越えて結婚できたとしたら、凄いなぁと思うよ。
それにはマリーヌ姫とラピスさんの強い意思がないと難しいんじゃないかな。
確かにそうですね。
ただ、マリーヌ姫はその辺の女性とは違うのです。
今まですべて自分の思い通りにしてきたから、
私は８０％の確率で自分の思い通りにするんじゃないかと思います。
それがたとえ何年かかったとしても。
えぇーー！
何年かかったとしても？
レイモンド刑事は驚きます。
マリーヌ姫の性格まではレイモンド刑事は知りませんでした。
そうなんです。
マリーヌ姫とはそういう人なんです。
絶対欲しいものは、あらゆる手を尽くして何が何でも手に入れる。
物凄い欲求だと思います。
それが好きになった男性ならなおのことでしょう。
レイモンド刑事はあきれた顔で言います。
そうなるとマリーヌ姫の熱が冷めるのを待つしかないのかもしれないね。
確かにそうかもしれません。
時がすべて解決をしてくれることを願うよ。
レイモンド刑事は苦笑していました。
はぁー！
とんでもない姫様だなぁ。
グリナさんには悪いけど、マリーヌ姫はもっと自分の立場について考えた方がいいと思うよ。
ラピスさんにも問題はあるけれど、マリーヌ姫も問題かもしれないなぁ。
そして、こんな結婚詐欺のような男に引っかかること自体が、
一国の姫としてあるまじきことだと思わないとね。
レイモンドさん、そうなんです。
私が何度言っても聞いてくれないのです。
私は姫様の行く末が心配です。
どんなにラピスさんの良くないところを言っても
わかってくれないのですから。
しまいにグリナは、自分のいたらなさと姫様にわかってもらえない辛さで涙が出てきてしまった。
こんなにグリナさんがマリーヌ姫のことを思っているのに。
能天気な姫だなぁ。
これじゃ、ホストクラブにお金をつぎ込んで、
家族が途方に暮れているようにしか僕には見えないなぁ。
ホストクラブ？？
私はそんなところ行ったことないですけれど。
そこはそんなにお金がかかるところなんですか？
あぁ！
ホストの優しい言葉に騙されて
お金を貢ぎまくって
人生を狂わされた人を
何人も僕は見たよ。
刑事という仕事をしているか余計わかるよ。
ただし、マリーヌ姫の場合は、
ホストクラブ通い程度ではすまないからね。
グリナはホストクラブ自体がよくわかっていなかったが、
それでも大変なことなんだということがレイモンド刑事の言葉で理解できたのです。
つまり、国全体がラピスさんというホストに引っかかって、
お金を巻き上げられるということなんですね。
あぁ！
それもあるかもなぁ。
それはマリーヌ姫にかかっていると言えるかもなぁ。
国全体がラピスさんというホストにお金を貢ぐ？
グリナはまた、めまいがしてきました。
どうすれば私はいいの？
すこし気を休めなくては。。。
そう言って、
グリナはお茶を飲みます。
さてさて、この話はいったいどうなっていくのでしょう。
レイモンド刑事とグリナ（ばあや）の話はどうなっていくのか。