マリーヌ姫は、ラピスさんにプロポーズされて、
妄想にふけっていました。
私とラピスさんが結婚したら、
どんな生活?
朝起きたら、ラピスさんがコーヒーを入れてくれて、
マリーヌ姫、さぁ!一緒にコーヒーを飲もうよ。
とベットの中でのんびりとするのです。
そしてどこに行くにもラピスさんと一緒。
甘ーい甘ーい結婚生活。
マリーヌ姫は二人で過ごすことばかり考えて現実の生活についてはまったく考えていませんでした。
マリーヌ姫は、考えつきます。
そうだわ。
このプロポーズをされたことを両親に話さないといけないわ。
そうすればラピスさんは婚約者よ!
まだ、世間に発表していないとしても
両親が認めてくれれば婚約者と同じ立場になるわ。
ラピスさんはアルバイトに時間をとられている。
私の婚約者となれば、もうアルバイトなんてしなくてもいいわ。
ラピスさんは私とデートをしたり、
勉強をしたり、
もっと一緒に過ごすことができるのよ。
マリーヌ姫は両親に報告することにしました。
パパ、ママ!
私、ラピスさんにプロポーズされたの。
この指輪を見て!
ラピスさんが私にプレゼントしてくれたのよ。
私は、ラピスさんと結婚するわ。
えぇー!
マリーヌ!
プロポーズされた?
まだ、学生なのに結婚はまだ早い。
ラピスさんは、就職だってまだしていないだろう。
仕事もしていないのに生活はどうするんだ。
父親は心配そうに言います。
生活?
ラピスさんをお婿にとればいいだけじゃない。
いやー!
我が国のしきたりでは、女性は男性のところに嫁にいくということになっている。
そして男性の収入で暮らすんだ。
ラピスさんはまだ学生で収入はないし、
将来、就職してどうなるかはまだわからない。
そうだとしたら、結婚はまだだけど婚約という形にしてもらいたいわ。
まだ結婚していなければラピスさんに援助ということで
宮廷からお金を出すことだってできるでしょ。
ラピスさんはアルバイトをして生活を支えているのよ。
マリーヌ!
学生がアルバイトをするのは普通だし、
宮廷からお金を出すことはできない。
宮廷のお金は公費だからね。
なんなの?
一つも自由にならないじゃない。
マリーヌ姫はショックを受けた。
私はこの国の姫なのになんで自分の思い通りにならないの。
たかが一人の男性を自由にできないなんて。
今はダメだとしても私の力でなんとかするわ。
パパ、私はなんとしてもラピスさんと結婚するわ。
たとえ誰が反対しようとも。
マリーヌ、反対しているわけじゃない。
まだ早いと言っているだけだ。
それにまだ付き合ってまだ1年足らずだろう。
もっと相手のことをよく知ってからでいいんじゃないか。
マリーヌ姫は、すぐに両親が賛成して、
結婚とまではいかなくても、婚約はできるんじゃないかと思っていたので、
ショックでした。
あの私の妄想が遠ざかって行く。
それは私は絶対に許さない!
何がなんでも結婚してやるー!
この指輪に私は誓うわ。
私はラピスさんと必ず結婚してラブラブの生活を手に入れるわ。
マリーヌ姫、ばあやは心配でたまりません。
そんな両親を困らせるようなこと言って。
まだ学生なのに結婚なんて無理に決まっているじゃないですか。
よく考えないとダメですよ。
結婚というのは人生を左右することなんです。
そしてマリーヌ姫は我が国の姫様。
その姫様の結婚となると国の将来を左右することになるかもしれません。
それをよく考えてお決めにならないといけないです。
ばあや、そんなことを言ったって。
そうしたら、私は国民の気に入る人でないと結婚できないの?
私の気持ちはいったいどうなるの?
それは、マリーヌ姫が気に入る方で、国民も応援してくれるような方と結婚されることが一番です。
そんな私はこの国の姫なのに国民の顔色をうかがうなんておかしいわ。
マリーヌ姫は今まで自分に逆らう人はいなかったし、
両親からは甘やかされて育ったので、
すべて自分の思い通りになると思って過ごしてきたのです。
それが自分が結婚したいと思ったのに両親からは反対をされてしまった。
つまり、初めて壁にぶち当たったのでした。
果たしてマリーヌ姫は、結婚を思いとどまることができるのでしょうか。
マリーヌ姫はどうするのでしょうか。