マリーヌ姫は、ばあやに自分の考えを伝えることにしました。

 

マリーヌ姫は、

 

ラピスさん(彼)とお付き合いを続行することを伝えます。

 

ばあやは、泣きながら、

 

 

 

「姫様、

 

姫様が、ラピスさんのことを好きだということはよくわかりました。

 

どうしても、王室のことよりもラピスさんのことを優先されるのですね。

 

それが、姫様にとっての幸せだとお考えということですね。」

 

ばあやはショックを受けていた。

 

 

恋というのは、

 

他の誰が言っても声が聞こえなくなるほど、

 

夢中になってしまうものなのです。

 

そのことを、ばあやはよくわかっていました。

 

 

これは、もう行くところまで行くしかない。

 

 

そして、マリーヌ姫とラピスさんの付き合いがいつまで続くかわからないし、

 

結婚したとして続かないだろう。

 

それを体験すればようやく自分で納得するのだと思う。

 

 

ばあやは、諦めるしかなかったのです。

 

二人の仲を無理やり裂いてしまえば、

 

一生、ばあやはマリーヌ姫に恨まれるだろう。

 

そして、このまま別れてしまえば、

 

あの時、ラピスさんと別れなければ、

 

自分は幸せになったかもしれないのにと

 

 

特に結婚してお相手とうまく行かなくなった時には

 

そういう考えになるに違いない。

 

 

人は、過去に思いを果たさなかったことに

 

あのときこうすれば自分の人生変わっていたかもしれないと思うだろう。

 

 

 

ばあやは、マリーヌ姫を見守ることにした。

 

 

「姫様、ばあやはラピスさんとのことは反対ではあります。

 

でも、姫様がどうしてもラピスさんとお付き合いをされたいということなら、

 

応援は出来ませんが、見守らせていただきます。

 

 

お二人がどこまでいけるのか。

 

 

お二人の意思がどこまで強いのか。

 

 

それによって、未来は変わっていくかもしれません。」

 

 

 

「ばあや、ありがとう!」

 

 

 

私のことを見守っていてね。

 

私は、絶対に幸せになるわ。

 

そして、私はばあやにあの時には反対したけれど、

 

私の意思を尊重してよかったと思えるようにするわ。

 

 

これからも、私の相談相手でいてね。」

 

 

「姫様、もちろんでございます。

 

私は、姫様の幸せを何よりも願っております。」

 

 

 

 

マリーヌ姫は、ホッとした。

 

 

ばあやは、もっとお付き合いすることはダメ!

 

ともっと言い張ると思っていたのに、

 

簡単に引き下がってしまったからだ。

 

 

少し、拍子抜けしてしまった。

 

 

あぁー!

 

これで思う存分、ラピスさんに会える!

 

 

思いっきり、会って甘えちゃおうかなぁ。

 

 

ラピスさんとのデートを心待ちにするマリーヌ姫だった。

 

 

結局は、マリーヌ姫は、自分の意思を通してしまいました。

 

普通の女の子なら、これでもいいのだけど、

 

マリーヌ姫は、姫様という立場。

 

この選択が、今後、この国にどんな影響があるのか

 

そして王室がどういう運命をたどるのか

 

知る由もありませんでした。