千年の時を超えて~平安時代の少女偏~
第二話ー不思議な桜ー
ある日のことだった。深桜は、自分の父によばれた。
「父上、失礼いたします。」
きれいな凛とした声で一言いうと、父の部屋の襖を開けた
そこにいたのは、いかにも父親のような、少し鬚をはやした人だった。
その人は、「おお・・・。深桜よ・・来たか。実は、お前に大切な
話があるのじゃ・・・。」
少しすまなさそうに、少し深刻そうな顔をして、そういった。
これにはさすがの深桜もなにか察したのか、
「なんでございましょう・・父上様・・・・。」
覚悟をしたかのような表情を浮かべ、姿勢を正した。
すると深桜の父は
「おぬしも、もうすぐ12にもなる・・もう、嫁にでても、十分なとしであろう・・・。」
深桜は、そんなことを言われるとわかっていたように、うつむいていた。
すると、口を開いた。父はきっと、わかりました。とでも言うと、思っただろう。だが、深桜は
「申し訳ございません・・・父上。私は、まだまだ父上や、母上のそばにいとうございます。それに、今の私は、結婚などは、かんがえられませぬ。私はまだまだ、この家に・・・この屋敷で、はしりまわり迷惑をかける・・・。
そう過ごしたいのでございます・・・・・。」
すると父は、深桜に頭をさげた。
さすがの深桜もっくりした。
「ちっ父上、どうゆうつもりでございますか?娘に頭をさげるなんて・・・。」
「嫁ぐ先は、私の身分より、はるか上のご身分のお方だ・・・私の出世にも繋がる・・・それにそのご一家は、不思議な力をもっているそうだ。どんな力かはしらぬが、お前を守ることもできる。私は、あまえが可愛い・・・。だからこそいっておるのだ。」
さすがの深桜もこまったような顔になり、
「・・・・・・・。少し・・・・いや・・一ヶ月ほど、時間をいただけますか?」
そういうと、庭に出て行ってしまった。庭には、桜があった。まだ若いさくらだった。
深桜がうまれたときに、植えた桜だそうだ。
ここが、深桜の癒しの場となっていたのだ。
「はぁ・・・。」
深桜はため息をつくと、その桜に頭を押し当てた。
すると桜から声が聞こえた・・・
「迷っているの?・・・でも、あなたの中で、答えはでているはず・・」
深桜はびっくりしたように
「あなたが・・・桜がしゃべっているのでございますか?」
すると、それにこたえるように、桜の葉が、風など吹いていないのに、ざわわっと揺れた。
「桜?あなたは不思議な力を持っているの?」
深桜は桜をみあげ、そういった。
「ちがいますわ。あなたが不思議な力をもっているの。普通の人は、桜と会話なんて、できないですもの。」
すると、深桜はうつむいた。
「今回父上がもってきた縁談話のお相手も、不思議な力をもっているそうなの・・・。」
すると桜は、「あなたは、どうしたいの?」といった。
「私?私は・・・。私は、まだこの家にいたいわ。」
「なら、それをあなたのお父上にいえばいい。それだけじゃない。」
すると深桜は「そうよね・・・そうなの。だけど、頭までさげられると、さすがに・・・。それに、私の兄弟に男がいないの。私は、長女だし、それなりの責任もあるわ。そうかんがえると、やはり私が嫁ぎ、長男をうみ、跡継ぎにするしか・・・。父上のご出世にもつながるし・・・。」
そんなことをいったと思うと、急に明るい顔になった。
「ねえ、桜?私の不思議な力って、なに?」
桜は、「あなた様は、精霊に、力を借りることができます。そのため、今こうして話してるように精霊と話すこともできるのでございます。」
そういった。「へえ。すごいわね。」深桜は、笑顔になった。
桜は、深桜の力を、もうひとつしっていた。だが、それはいわなかった。
その力とは、とても恐ろしいものだった。
この世の生物全てを消滅させることができる力。そして、魔物、あやかしを封じることのできる、たったひとつの神剣、王華。この世の歴史をいっきにくつがえすことのできる力だった。
だが、桜はそれをはなさなっかた。まだ12の深桜は、このことをしると、恐怖におびえるだろう。その強大すぎる、自らの力に・・・。
それに、この力のことがばれてしまえば、悪意をもつ者にねらわれることとなる。
このとき、深桜はしらなかった。自分が、この世界の始まりと終わりを告げる者であることを・・・・
つづく