相続において、ある一定の条件に合っていれば、土地の評価額から
一定額が減額となる。最大で80%にもなる。
よって該当するかどうかは、大変重要である。
小規模宅地特例は、亡くなった人等が居住の用や事業の用などに供し
ていた宅地等を相続によって取得した場合、一定の要件の下、評価減
を認める制度である。
取得した宅地等が亡くなる直前において、親族の事業用、居住用等に供
されていた場合は、その親族が被相続人と「生計一」であったことが適
用の必須条件になる。
「生計一」というと同居が前提になると考えがちだが、税務上では必ずし
もそうではない。
所得税法では、転勤等で普段は個別に住んでいても余暇には起居を共にす
ることを常例としている場合や、その親族間で常に生活費・学資金・療養
費等の送金が行われている場合も生計一になるとされており、実務上、同特
例を適用する際も同様に取り扱われる。
一方、親族と被相続人とが互いに独立し、金銭的な共有が全くなかった場合
は生計一に該当しない。ただし、基本的に独立しているものの、いくらかの
援助を受けている場合などが該当するか否かは事実認定によるので、生計一
が認められず特例の適用が受けられないこともしばしばある。
判決事例では、「生計」は“暮らし”ではなく“日常生活の資”を意味するため、
相続人が被相続人の面倒をみていても日常生活の経済的側面で共通している関
係にあったとは認められず、生計一ではなかったと判断した。
生活の資を共有していたか否かについて具体的な金額基準があるわけではないが、
被相続人との間に生活費等の共有が確認できなければ、生計一とは認められ難い
と思われる。
同居であれば、原則「生計一」と扱われている。