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在米ふじ子のリタイア生活徒然日記と備忘録

2024年に在米歴33年、62歳になり、長年勤務していた仕事をリタイアしました。アメリカのメディアに掲載された記事などで、おもしろいと思ったものを紹介したり、昔のことを思い出したり、今のリタイア生活について書いたりしています。ぜひお付き合いくださいね。

介護施設で起こる高齢者虐待とネグレクト

 

10月8日のAARP(全米退職者協会)に「警告サイン:介護者が高齢者虐待とネグレクトを見抜く方法」という記事が掲載されていました。

 

この記事では、近年、アメリカで介護施設での高齢者虐待やネグレクト(怠慢な介護)が深刻な問題となっていること、そして、その兆候を見極め、予防することについて詳細が書かれていました。

 

介護施設での虐待やネグレクトは、アメリカだけの話ではないと聞きますので、参考になるかもしれません。

この記事のポイントは以下の通りです。

 

・なぜ「虐待・ネグレクト」が見過ごされるのか

 

近年、アメリカでは介護施設での高齢者虐待やネグレクト(怠慢な介護)が深刻な問題となっています。
 

この記事が紹介した事例では、複数の施設で入居者が転倒や褥瘡(床ずれ)などの重大な怪我を負い、十分なケアが行われていなかったことが報告されました。驚くべきことに、これは「例外的な事件」ではありません。

 

2023年、米メディケア・メディケイド・サービスセンターのデータによると、介護施設に対する違反のうち約8%が虐待やネグレクトに関連していたそうです。専門家は「実際の件数は報告されているよりもはるかに多い」と指摘しています。

 

・高齢者虐待の形は多様 「目に見えない暴力」に注意

 

虐待というと「身体的な暴力」をイメージしがちですが、実際にはもっと多様です。この記事で紹介された専門家によると、虐待には以下のような形があります:

  • 身体的虐待:殴る、押さえつける、拘束するなど
  • 心理的虐待:脅迫、侮辱、無視、羞恥を与える行為
  • 経済的搾取:お金や財産の不正利用
  • ネグレクト:食事・薬・医療などの基本的ケアを怠る
  • 性的虐待:同意のない、または理解不能な状態での性的行為
  • 窃盗:入居者の私物を無断で持ち去ること

これらの多くは、被害者が認知症を抱えていたり、介護者に依存していたりするために、声を上げにくい状況で起こります。

 

・虐待の兆候を見抜くためのポイント

 

介護施設で起こる虐待は、一見しただけでは分かりにくいことがあります。AARPの記事では、次のような「警告サイン」を挙げています。

  • 入居者が職員を怖がる、話したがらない
  • 栄養失調や脱水、衣服や寝具の汚れ
  • 転倒や打撲など、説明のつかない怪我
  • スタッフによる言葉の暴力や嘲笑
  • 現金や貴重品の紛失
  • 医療的ケアの遅れや不備

特に、「小さな異変が繰り返される」場合は要注意。単発のミスではなく、組織的な問題の可能性があります。

 

・家族にできる「予防」と「行動」

 

家族は、施設の利用者を守るうえで非常に重要な存在です。AARPの記事では、元介護施設管理者や元検事などの専門家が、次のような行動を勧めています。

  • スタッフとの関係を築く
    看護師や清掃員など、現場スタッフの名前を覚え、日常的に挨拶や会話を交わしましょう。家族の存在が伝わることで、ケアの質が向上します。
  • 訪問時間を変えてみる
    決まった時間だけでなく、週末や夜間など「予告なしの訪問」をすることで、施設の実態を知ることができます。
  • 問題を感じたら記録・報告を
    不審な点があれば、日時・内容・関係者を記録し、必要に応じて施設管理者や行政機関、警察に報告します。書面で残すことが大切です。
  • 安全な環境への移動も検討する
    状況が改善されない場合は、別の施設や在宅介護への移行も視野に入れましょう。

 

・「小さな違和感」を見逃さない勇気を

 

高齢者虐待は、被害者が助けを求めにくいことが最大の特徴です。だからこそ、家族や介護者が「代わりに声を上げる」ことが命綱になります。

 

専門家は「何かおかしい」と感じたら、ためらわずに行動することと話しています。
 

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