今回は、


30代女性の方の症例をご紹介します目



Sさんは右股関節痛としびれが酷く、


不眠が続く状態で来院されました。



赤ちゃんの頃先股関節脱臼を経験しており、


右の股関節がコキコキと音がなる状態が続いていたそうです。



それでも特に痛みはなく気にしていませんでしたが


町民運動会の綱引きに参加したことがきっかけで


右足に違和感が出てきました。



その内痛みを感じるようになり病院に行きましたが、


レントゲンを撮って湿布のみの対応。



症状は日に日に悪化し、


右股関節通としびれで


とうとう立っていることが困難になりました。



あまりの痛みに耐えきれず、


インターネットで調べて当院に来院されました。



初見時は、


左から右に腰椎が曲がっていて


右の股関節は痛みのために開くことが困難でした。


正座時は上半身が大きく右に傾むく状態。



歩行確認をしたところ、


右の骨盤から膝にかけてしびれていて、


全身を使わないと歩けない状態で、


とても不自然な歩き方でした。



最初の1、2回は痛みがとれず、


歩き方も不自然でしたが、


4回目頃から痛みやしびれが無くなり


自然な歩き方が出来るようになり、


夜も眠れるようになりました。



先天性股関節脱臼の発症は女子が圧倒的に多く


男子の10倍とも言われています。


ほとんどの先天性股関節脱臼は治りますが


一部のかたは将来的に(大人になってから)


変形性股関節症になることもあります。


先天性股関節脱臼を発症しても


完治して成人に至るまで痛みが出なかった方は


股関節の痛みや違和感をどうしても軽視しがちになります。


先天性股関節脱臼は


その場は治ったように思われても


軟骨等に傷がついてしまっていると、


大人になってから徐々に変形することもあるのです。


ご自身が子供の頃に


先天性股関節脱臼を経験されたことを聞かされている方は 


痛みや違和感が軽いうちに治療を開始する意識を持って下さい。


普通の方よりは日常生活でのダメージは受けやすいので


どうしてもバランスが崩れやすくなります。


その為、


常にバランスをキープできるよう


定期的な調整を行った方が良いでしょう。



Sさんは、症状が出にくくなった今、


月に1回程度通い、


運動不足にならないように


ウォーキングなどの運動をしているそうですチョキラブラブ



(上は先天性股関節脱臼のレントゲン写真。
本来の関節から脱臼して上方に関節を形成し、脚の短縮と関節症変化を認めます。)