中野豊の「映画の語り場」

中野豊の「映画の語り場」

中野豊の「映画の語り場」
『インビクタス 負けざる者たち』 
巧みな作品。編集が際立っていて、これだけ重厚・重層な物語・テーマを「あっさり」と仕上げています。ネルソン・マンデラ氏をテーマにしたスポ根物w アカデミー賞では、常連(イーストウッド)故に「もうさすがにいいんじゃないの」と思われたとか?で「プレシャス」の次点でノミネートも逃しましたが、これこそが「アメリカ映画」という一本でした。

『第9地区』
南アフリカのアパルトヘイトの歴史認識:ニアイコール:エイリアン。それもドキュメンタリータッチの映像を駆使している。「冗談もいいかげんにしなさい」と思いながらも、作り手の情熱も同時に感じてしまいましたぁ。

『ハート・ロッカー』
初見時、気分ドン引き。まてよ、映画の出来栄えとしてはどうだろう?と反芻する。特にオープニングの爆弾処理など鳥肌物の臨場感 ~ ヒーロー物へとシフトする。これって純エンタテイメントだったのか? アカデミー賞では「アバター」残念でしたねと、しばらく経ってから思いました。

『悪人』
車のライトが薄気味悪く地をナメる。「マルホランド・ドライブ」だ! 現代人が抱える孤独と儚い繋がりの中で、家族や仲間や恋人の叫びを聞こう。他者を見下してはいけませんね。という映画だと思う。

『ザ・コーヴ』
ドキュメンタリーというカテゴリーは、便利ではあるけれども「映画」という大きな括りの中ではマイノリティ扱いされて王道となり得ない……。そもそも、都合よく編集された瞬間に客観性は失われるのです。真のドキュメンタリー映画など存在しないんだよ~、というあたりまえのことを思い知らされたのだけれども、近年では「非常によくできた」記録映画もどき(苦笑)な一篇。

ゲキ×シネ 『蛮幽鬼』
2010年の最もエキサイティングな日本映画だと言いたいところですが、舞台をキャメラで撮ってフィーチャーするという手法は……。映画として語ることは憚られます。

『アウトレイジ』
北野監督のバイオレンス映画でもトップクラスの面白さなのですが、「殺し方」大博覧会を見に行ったような感覚。多分、自分の予想したモノと違ったことにショックを受けました(汗)。友和さん、加瀬君あたり、やくざクサくない人ほど光っていましたね。