ドアが開いたときにはドキドキ最高に達していた。


目を瞑っていたので、背後から人が来る気配がわからなかった。


「おい」


それと同時に体中が震えた。


「おいッ。優華」


あ・・・れ。


この声、悠斗じゃない――


――駿だ!


「どうして駿がここに?」


動揺してしまっているせいか


声が裏返ってしまった。


「悠斗が来れないらしいから俺が来た」


こんなときにでも、期待してしまう。


「悠斗がッ!何かあったの?」


駿は一瞬寂しそうな顔をした。


「悠斗、階段から落ちた」


えッ!さっきまであんなに元気だったのに・・・。


「そっか・・・。」


静まり返る図書室――。


「あのね――」


「あのさ――」


2人の声が、かぶった。


「駿から言ってよ。私、別に大したことじゃないし」


「はぁ。優華から言えよ」


いつの間にか2人はにらめっこをしていた。


「解かったよ。言えばいいんでしょ、言えば」


やけになってこう言ってしまった。


「じゃあ、どうぞ」


「あのね、私・・・今日悠斗と付き合うか、付き合わないかを


悠斗に話そうとしてたの。でもね、悠斗が来ないからどうしようかなーって・・・」


やっと駿に話せたことが、とても嬉しかった。


「あぁ。俺もそのこと、それで優華からの答え聞きに来た」


え・・・。イヤだ。駿だけには絶対に言わない!


「そうなんだ・・・。でも、悠斗に会って言いたいの!」


言ってしまった・・・。


「そうか。じゃあ、田中総合病院の205号室らしいから」


「あ・・・ありがと」


「おうッ。じゃあな」


そう言って駿は、走りながら帰っていった。