エッセイを読んでいたら | 酔いと読書と好き勝手

酔いと読書と好き勝手

酒好き、本好き、遊び好き。

プライベートの好き勝手を書いていこうと思います。

弟が買った「許してガリレオ!」(東野圭吾氏の探偵キャラクターには関係のない本です)という本をパラパラと読んでいたら、お、これ書き方によっちゃ探偵小説になるじゃん、てのを見つけた。


この本、ゲッツ板谷という人の書いた本で、弟が好きなのです。なので、西原理恵子の本も無論ある。でも今回はゲッツ板谷さんの本の話。この中の「キャンディマン」という話。


作者が親友とパジェロで常磐自動車道で東京に向かっていたとき、後ろからハイビームで追ってくるスカイラインを見つける。何分経っても変わらない現状に業を煮やした友人は左車線に移ると、そのスカイラインも左車線に移ってくる。


頭にきた友人は、相手に追い越させて、その後で煽りを入れようと路肩にパジェロを停止させるが、スカイラインが追い越す様子はない。バックミラーをのぞくと、50メートルほど後方にスカイラインが停止しているのである。


完全に切れた友人は車を発進し、加速する。相手ももちろん加速。その加速度から、相手の車に乗っているのは一人か二人と友人は判断。


そして、


友人は突然Uターンし、正面から走ってくるスカイラインにハイビームを浴びせながら突進する。ぎりぎりのところでスカイラインは左に向きを変えたが、その車に乗っている相手はペロペロキャンディのようなものを舐めながらハンドルを握っていたのである。


友人は再び車をUターンさせ、スカイラインを追う。


料金所付近でその相手の車を見つけ、キャンディマンを車から出し、友人の乗るパジェロへ連れて行く。代わりにスカイラインに乗ると車の中は棒状のキャンディが散乱しており、ダッシュボードには女性の微笑む写真が五寸釘で打ち付けられてあった。


この異様な光景に友人の安否を気にした作者はパジェロへと向かう。するとそこにはうな垂れ、頬に涙を伝わせるキャンディマンとそれを冷静に諭す友人。


もう少しスカイラインで待っていてくれと言われ、作者はスカイラインで待つ。


20分ほど経ち、友人とキャンディマンがスカイラインの脇まで来ると、頭を下げて謝罪の言葉を口にするキャンディマンとそれに対し、メシは食えよ、と返す友人。


わけの分からないままパジェロに乗り込んだ作者が説明を求めると、キャンディマンには婚約者がいたが、半月前に脇見運転の交通事故で亡くなった。その娘の実家が福島にあり、その帰りであったと。その、交通事故を起こした車が友人の乗る車と同じパジェロであったと。


では、なぜ能天気にキャンディを舐めていたのかというと、事故以来食事が喉を通らなくなったキャンディマンが、親戚の子が忘れていったキャンディを口にするとそれだけが体が受け付け、幾分、気も楽になったからだと。


どうです? この話。謎があり、解決がある。写真という伏線もあるんです。これ、探偵小説的な興味を満足させる話じゃないですか?


これだから、たまには他の本も読もうという気がおきるんですな。


あ、ちなみにこの本、こういった興味以外でも面白い本ですよ。