お、ハードボイルドのヤツね、と思われた方、残念ながら違います。それは大藪春彦です。
題名と表紙の雰囲気から、ハードボイルドと勘違いしてもおかしくないけどね、内容もハードボイルドになるし。
こちらは、ニコラス・ブレイク、本名はイギリスの桂冠詩人セシル・デイ・ルイス。俳優のダニエル・デイ・ルイスのお父さん。
探偵小説家フィリクス・レインは息子を轢き逃げされ失ってしまった。
警察の必死の捜査にも関わらず半年も過ぎ、自分で復讐することを誓う。
最初はこのフィリクス・レインの日記から始まり、なんか倒叙ものみたいだなと読んでいってしまいました。
が、当然ながら倒叙ものではありません。途中、これってエラリー・クイーンのあの作品みたいになるの!? などと思い、年表を調べてしまいました。クイーンのアノ作品は1933年、で、この作品は1938年。
あ~、ひょっとしたら、と思ったら、さすが名作、見事に私の考えを(いい意味で)裏切ってくれました。
解説によると、この「野獣死すべし」という題名、江戸川乱歩がつけたらしい。そしてこの作品のできた経緯は、解説も書いている、植草甚一さんの「雨降りだからミステリーでも勉強しよう」に書いてあった。
長男が5歳になりかけたとき、自動車に轢き殺されそうになったという実体験があったのだ。そこからプロットを展開していったみたい。
そして、ニコラス・ブレイクという人が探偵小説を書くきっかけとなったのが面白い。
住んでいた家の屋根にコケが生え、雨漏りするようになったからなんだって。当時学校の先生だったブレイクさん、この修理費用を捻出するため小説を書き、それが第1作「証拠の問題」となった。
あと、このニコラス・ブレイクという筆名の由来は長男ニコラスと母方の姓からとったみたい。
創元推理文庫から出ている本も何冊か買っているので早いこと読みたいなと思っているのですが、この後から何冊か探偵小説以外を読む予定です。
しかし、イギリスの小説を読んでよく思うのは、聖書とシェークスピアからの引用が多いこと。聖書は通読してるし、口語訳も新共同訳も持ってるし、手引き書もあるからいいけど、シェークスピアはなぁ、やはり買って読まなアカンか。うん、いつかチャレンジしよ。せめて四大悲劇ぐらいは読んどかな。