消えた彼女・・・。
どこに行ったのだろう。
あれから、
君に会えない寂しい日々。
もう一生・・・会えないのだろうか。
君は苦しみのなか・・・
「もうどうなってもいいの」
言って、消えた。
「好き・・・」
どうして、そんなことを急に言ったのか、
その瞬間に気づくべきだった。
「ありがとう」
ホテルのロビーで別れた時、
君は振り返って言った。
優しい眼差しで僕を見た。
僕は「はっ」とした。
いつもより、長く君は僕を見つめて、
悲しそうな顔で去っていった。
胸騒ぎがして、すぐにお店にメールした。
「お願いがあります。彼女のこと見守ってください。少し自暴自棄になっている気がします」
お店からは連絡がなかった。
その次の日から彼女は姿を消した。
お店に聞いても
「分かりません」
と相手にしてもらえない。
「彼女、幸せになったんでしょうか?」
「さぁ」
お店の人は何も感じないのか・・・。
彼女の体を食い物にしてきた・・・やつらは・・・。
人の心と体を食べて生きている。
寄生虫のようにうごめいて、
骨になるまでしゃぶりつくし・・・
それが・・・やつらのルール。
ひとりの女の一生を踏みにじり・・・肥え太る。
彼女を求めて歓楽街を歩く。
明るい街は、優しい月の光は差し込まない。
生きる・・・ことが苦しみ?
俺は誰も救うことができない。
小さな頃、奈良のお寺で見た月光菩薩の美しい顔・・・。
「仏様は苦しみから救ってくれるんよ」
母が僕に言った。
僕は菩薩の顔を見て、優しい気持ちになった。
歓楽街のネオンの下で、その日のことを思い出す。
君の優しい眼差しは僕の心を救ったんだ。
仏の国はどこにあるのだろうか。