ある冬の夕暮れどき
キッチンの窓から
西の空を覗き込む
日没後
黒い家々の影
その向こうに広がる
橙と紺のグラデーション
優しい光を放つ
三日月が浮かぶ
食事の支度をしながら
「わぁ!きれい」
思わず私は感嘆した
君はその声に惹かれて
窓を覗き込んできた
「きれいでしょ?」
私の言葉に
君は「そうだね」とそっけない
ふと、記憶を遡った
空に雄大な虹を見つけた時
君は「虹だー♪」って
虹に向かって夢中で走った
その可愛い後ろ姿が懐かしい…
ある寒い冬の日
「わぁ!雪が降ってきたよ」
思わず私は声を掛けた
君は少し興味ありげに私を見た
庭に出るとつられて君も来た
木々と葉が大きく揺れる
横なぐりの霰雪
天を仰ぎ降りしきる雪を見つめる中
君は早々に部屋に戻った
ふと、あの頃を思い出す
ウッドデッキに並ぶ雪だるま
寒さをものともせず作り続けた
君の創作意欲が懐かしい…
君が小さな頃の笑顔
可愛くて 愛おしくて
思い出すだけで
ホロリと雫が頬を伝う
温もりのある記憶が
雨にかわる
